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4年生のイソップ童話(どうわ)
女主人とめしつかいの女たち
はたらきものの女の人が、わかい女たちをめしつかいとして、やとっていました。
朝くらいうちに、ニワトリが時をつげると、女主人はたちまちめしつかいをたたき起こして、せっせとはたらかせるのでした。
めしつかいは、いつもへとへとにつかれていました。
「こんなにわたしたちがくたびれるのは、あのにくらしいニワトリのせいだわ。あれが夜のあけないうちから、ご主人をおこすからいけないのよ」
と、めしつかいたちは考えて、ニワトリを殺(ころ)してしまうことにしました。
ところが、この計画を実行してニワトリを殺(ころ)してしまうと、かえって前よりもひどいことになりました。
と、いうのは、女主人はニワトリの声で時間を知ることができなくなったために、もっとずっとはやくから、めしつかいたちをおこして、はたらかせるようになってしまったからです。
この話は、よいと思ってやったことのために、かえって不幸(ふこう)を招(まね)くばあいがおおいことを、おしえています。
おしまい