福娘童話集 小学生童話 6年生
ふくむすめ童話集 > 小学生童話 > 6年生向け > イソップ童話 > 父親と2人の娘(むすめ)

6年生のイソップ童話

父親と2人の娘父親と2人の娘

父親と2人の娘(むすめ)

 2人の娘(むすめ)のいる父親が、1人を野菜作りの農家に、もう1人をとうげい家にお嫁(よめ)にいかせました。
 しばらくして、父親は農家のお嫁(よめ)さんになった娘(むすめ)をたずねて、
「どうだ、元気か、仕事はうまくいっているか?」
と、聞きました。
「なにもかも、うまくいっていますよ。ただ1つ、神さまにお願いしたいのは、雨をたくさん降(ふ)らせていただきたいことですわ。野菜にたっぷり水をやりたいから」
 その後まもなく、父親はとうげい家のところにお嫁(よめ)にいった娘(むすめ)をたずねて、
「どうだ、うまくいっているかい?」
 すると、娘(むすめ)は、
「ええ、うまくいっていますよ。でも、たった1つ、神さまにお願いしたいのは、お天気がつづいて、日がよく照ることです。陶器(とうき)がよくかわくようにね」
「さて、さて。おまえは晴れの日を望み、ねえさんが雨を望むのでは、お父さんはいったい、どっちを神さまにお願いしたらいいのだろう」

 こんなふうに、正反対の2つのことになやまされるのは、人生ではよくあることです。

おしまい

ページをとじる