福娘童話集 小学生童話 4年生
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4年生のイソップ童話(どうわ)

キツネとヤギ

キツネとヤギ

 キツネが井戸(いど)に落ちていると、のどのかわいたヤギが、とおりかかって聞きました。
「この井戸(いど)の水は、おいしいですか?」
 キツネは、こまっているくせに、
「こんなにおいしい水はないから、きみもおりておいで」
と、ヤギをさそいました。
 するとヤギはよく考えもしないで、井戸(いど)の中におりていきました。
 そして、水を飲みおわるとキツネにたずねました。
「ところで、どうやって井戸(いど)の外に出ましょうか?」
「かんたんだよ。きみが後ろ足で立ってハシゴになるのさ。ぼくはそれをつたって上へあがり、そのあと、きみをひっぱりあげてやるからさ」
 ヤギは、キツネにいわれたとおりにしました。
 キツネは「しめしめ」と、ヤギをつたってあがり、井戸(いど)の外に出ると、さっさとどこかへいこうとしました。
 あわたヤギが、
「おーい、キツネくん。約束(やくそく)がちがうよ。はやくぼくをひっぱりあげて」
「へっへっへっ、ヤギさん。きみがそのあごひげの数ぐらい、たくさんの知恵(ちえ)があれば、あがり方も考えずに井戸(いど)の底(そこ)におりたりはしなかったろうにねえ」

 なにかをする前には、まず、後のことを考えないといけないと、いうお話でした。

おしまい

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