福娘童話集 小学生童話 5年生
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5年生のイソップ童話

難船した男

難船(なんせん)した男

 アテネのお金持ちが、ほかの船客といっしょに航海をしていました。
 ところが、はげしい嵐(あらし)がおこって、船がひっくり返ってしまいました。
 のっていた人たちはいっしょうけんめい泳いで、なんとか助かろうとしていました。
 ところが、お金持ちの男は、
アテネの女神さま、もしわたしの命が助かったら、りっぱなおそなえものを差し上げます。いくらでもおそなえしますので、助けて下さい」
と、さけぶだけでした。
 そばで、せっせと泳いでいた人がいいました。
「あなた、アテネの女神に助けを求めるのはいいけれど、それよりまず、自分の腕(うで)にも助けてもらったらどうですか」

 不幸な目にあったときは、なによりもまず、自分の力で切りぬけようと努力しなければなりません。
 神の助けを求めるのは、その後です。

おしまい

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