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モグラの嫁入り

モグラの嫁入り
滋賀県の民話滋賀県情報

♪音声配信(html5)
音声 ☆横島小次郎☆

 むかしむかし、モグラの夫婦に、可愛い女の子が生まれました。
 モグラのお父さんは、その可愛い子どもを見て言いました。
「こんないい子を、モグラなんかのお嫁にやるのはもったいない。
 出来る事なら、この世で一番えらいお婿さんを探してやろう」
 それを聞いたモグラのお母さんも、お父さんに賛成しました。
「そうですね。
 この子がお嫁に行くのは、一番えらいお婿さんじゃないと。
 ・・・でも、誰が一番えらいのかしら?」
「そうだな。この世で一番えらいのは、やはりおてんとうさまだろう」
「そうですね。では、おてんとうさまのところへ、お嫁にやりましょう」
 そこでモグラの夫婦は、おてんとうさまの所へ頼みに行きました。

「おてんとうさま、おてんとうさま。
 わたしたちに、とても器量よしで利口な娘が生まれました。
 どうか娘を、一番えらいおてんとうさまのお嫁にもらってください」
 すると、おてんとうさまが言いました。
「それはうれしいが、だが、わたしは一番えらくはないよ。
 さすがのわたしでも、雲が来れば隠されてしまうんだ。
 だからわたしよりもえらい、雲にもらってもらえばいいぞ」
 そこで夫婦は、雲の所へ行ってお願いしました。

「雲さま、雲さま。
 わたしたちの所に、とても器量よしで利口な娘が生まれた。
 どうか娘を、一番えらい雲さまのお嫁にもらってください」
 すると、雲が言いました。
「それはうれしいが、だが、わたしは一番えらくはないよ。
 さすがのわたしでも、風が吹けば吹き飛ばされてしまうんだ。
 だからわたしよりもえらい、風にもらってもらえばいいぞ」
 そこで夫婦は、風の所へ行ってお願いしました。

「風さま、風さま。
 わたしたちの所に、とても器量よしで利口な娘が生まれた。
 どうか娘を、一番えらい風さまのお嫁にもらってください」
 すると、風が言いました。
「それはうれしいが、だが、わたしは一番えらくはないよ。
 さすがのわたしでも、土手を吹き飛ばす事は出来ないんだ。
 だからわたしよりもえらい、土手にもらってもらえばいいぞ」
 そこで夫婦は、土手の所へ行ってお願いしました。

「土手さま、土手さま。
 わたしたちの所に、とても器量よしで利口な娘が生まれた。
 どうか娘を、一番えらい土手さまのお嫁にもらってください」
 すると、土手が言いました。
「それはうれしいが、だが、わたしは一番えらくはないよ。
 さすがのわたしでも、お前たちモグラにくずされてしまうんだ。
 だからわたしよりもえらい、モグラのお嫁になった方がいいのではないのか?」
「そうか、一番えらいのは、おてんとうさまでも、雲さまでも、風さまでも、土手さまでもなく、我々モグラだったのか。
 それでは娘は、この世で一番えらい、モグラのお嫁にするとしよう」

 こうしてモグラの夫婦は、やがて大きくなった娘をモグラのお嫁さんにしたのでした。

おしまい

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