|
|
福娘童話集 > お話し きかせてね > 江戸小話の朗読
ふとん
あるところに、貧乏な親子がいました。
貧乏でふとんもないので、寝る時はいつもござをかぶって寝ています。
しかし親父さんは、
「息子よ。人前では決して、ござをかぶって寝ているなどと言うなよ。人前ではふとんで寝ていると言うんだ」
と、いつも言い聞かせていました。
ある日の事、親子が隣の家へ遊びに行き、ふと親父さんの髪の毛にわらくずがついているのに息子が気づいて、こう言いました。
「とうちゃん。とうちゃんの頭に、ふとんが付いているよ」
おしまい
|
|
|