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福娘童話集 > お話し きかせてね > 江戸小話の朗読
なまけ者
「お前は、『嫌いな物は何もない』と、みんなに自慢しているそうだが、でも何か一つくらいは、嫌い物があるだろう?」
「いやいや、それが、全然ないのさ」
「いや、そんなはずはないだろう。誰にだって一つや二つはあるのだから、お前にだって、きっとあると思うがな」
「そうかな? 何かあったかな? うーん。・・・おっ! 一つだけあったぞ!」
「それみろ、やっぱりあっただろう。それで、その嫌いな物とは何だね?」
「働く事が、大嫌いなのさ」
おしまい
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