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福娘童話集 > お話し きかせてね > 江戸小話の朗読
しらみ
河原で四、五人のこじきが集まって、ひなたぼっこをしています。
年寄りのこじきが、いつまでも寝ている若いこじきに言いました。
「今日は、いい天気だぜ。お前も寝てばかりいないで、日なたに出てしらみでも取りねえ」
すると、若いこじきが言いました。
「大丈夫だ。しらみなんかいねえから」
「おい、何を言ってやがる。ここにいるみんな、服の中に一匹や二匹はいるんだ。みえをはるな」
「みえじゃねえ。なにせ着る物がねえから、いつも丸はだかだから」
おしまい
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