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福娘童話集 > お話し きかせてね > 江戸小話の朗読
おなら
風の強い、ある晩の事。
泥棒がえんの下にもぐり込んで、みんなが寝静まるのを待っていました。
だんだん風が強くなってくると、表の戸に風が当たって、
「ぶううー、ぶううー」
と、鳴りました。
それを聞いた亭主が、
「今の音は、お前のおならか?」
と、奥さんに聞くと、奥さんは怒って言いました。
「まあいやだ。わたしがいつ、おならをしました?!」
「そうか。しかし確かに、おならの音が聞こえたのだが。・・・もしや泥棒がどこかに隠れていて、おならをこいたのだろう」
するとそれを聞いた泥棒が、あわてて縁の下から出て来て言いました。
「とんでもねえ! おらじゃ、ねえぞ」
おしまい
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