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8月24日のイソップ童話

ヘルメスとテイレシアス

ヘルメスとテイレシアス

 テイレシアスは目が見えない人でしたが、うらないの名人として知られていました。
 ヘルメスの神は、テイレシアスがひょうばんのとおりに、うらないが上手かどうか、ためしてみようと思いました。
 そこで、テイレシアスの実家でかっているウシをぬすんでおいてから、人間に姿をかえて、知らん顔をして町にあるテイレシアスの家をたずねました。
 ウシをぬすまれたことを知ったテイレシアスは、ヘルメスといっしょに家を出て、町はずれにいきました。
 ウシどろぼうがどこにいるか、うらなうためでした。
 テイレシアスは、
「すみませんが、どんな鳥が見えるか、いって下さい」
と、ヘルメスにたのみました。
 はじめに見えたのは、左から右へ飛んでゆく、1羽のワシでした。
 ヘルメスがそうおしえますと、テイレシアスは、
「その鳥は、ぬすまれたウシとは関係がありません」
と、いいました。
 次にヘルメスは、1羽のカラスが木の枝にとまっているのを見ました。
 カラスは目を空のほうにあげたり、うつむいて地面を見たりしていました。
 ヘルメスがテイレシアスにこのことをおしえると、テイレシアスは、
「ふーむ、なるほど。そのカラスは、わたしのウシがとりもどせるかどうかは、あなたしだいだと、天と地にむかって、ちかいっているのです」

 このお話しは、どろぼうをいましめるためのお話しです。

おしまい

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