お通じを良くするお薬童話

下痢(げり)・便秘(べんぴ)について

 下痢とは異常に水分の多い便がでる状態で、精神的なショックや緊張のため、あるいは毒性のある物質や不消化性の物質が腸を刺激しておこる症状です。
 また便秘は、便通の回数がきわめて少ないか、便通が困難な状態をいいます。
 医学的にはっきりした定義はありませんが、通常3日以上排便がないか、毎日排便があってもすっきりしない場合は便秘です。

 ここでは、幼児の主な下痢症である「乳糖不耐性下痢症」「単一症候性下痢症」「薬による下痢」そして、便秘について紹介します。

乳糖不耐性下痢症(にゅうとうふたいせいげりしょう)

こんな病気
 粉ミルク、牛乳など乳糖を含む飲食物をとると、下痢をしたり、吐いたりする赤ちゃんや幼児がいます。
 これは、乳糖不耐性下痢症です。
 かぜなどによる胃腸炎が長引いて起きることがほとんどですが、まれに、先天性のこともあります。

治療
 乳糖を含まない治療用のミルク(無乳糖乳)を与えたり、ミルクを薄くして与えたりします。

その他
 乳糖が分解されないまま大腸で発酵するため、おなかにガスがたまり、すっぱいにおいの下痢便が出ます。

単一症候性下痢症(たんいつしょうこうせいげりしょう)

こんな病気
 乳幼児に見られる生理的な下痢の1つで、水分の多いうんちが一日に何回か見られます。
 赤ちゃんが元気で体重に変化が無ければ、特に問題はありません。

治療
 発熱や嘔吐がなければ、特に治療は必要ありません。
 食事も、いつも通り与えて下さい。
 ただし、脱水症状になるかもしれないので、水分補給は普段より気を配りましょう。

その他
 お尻が下痢便でかぶれやすいので、清潔に保って下さい。

薬による下痢

こんな病気
 薬の抗生物質の影響で、腸内の有益な良性細菌が死に、腸内の細菌バランスが崩れるために起きる下痢症状です。

治療
 乳酸菌系の整腸剤や幼児用のヨーグルトを与えて、腸内の細菌バランスを整えましょう。

その他
 腸内バランスは個人で違うため、下痢を起こしやすい赤ちゃんは、医師にそのことを伝えて下さい。

便秘(べんぴ)

こんな病気
 母乳不足や水分不足が一番の原因です。
 離乳期以降は食事内容を見直して下さい。

治療
 最初に水分補給、食事(野菜をゆでた物を細かくして与える)、運動(又は腹部のマッサージ)を見直して下さい。
 それでも出ない場合は、市販のマルツエキスを与えたり、綿棒で肛門を刺激する綿棒浣腸を試して下さい。

その他
 便秘は排便の回数ではなく、便の堅さが問題です。
 3、4日に一度の排便でも便が正常なら問題なく、毎日排便しても堅いうんちなら便秘です。

便秘のツボ療法

  便秘には腸の働きが鈍くなって起きる弛緩性便秘と、腸が緊張して便を送り出しにくくなる、けいれん性便秘があります。
 どちらの便秘もツボ療法で改善されますが、一番効果的なのは食物繊維の多い食事と十分な水分、適度な運動と睡眠です。

 便秘改善のツボは「ふっけつ」です。
 とくに左の「ふっけつ」を丹念に指圧すると効果的です。
 さらに、腰の「だいちょうゆ」をやや強めに指圧すると、便通がよくなります。

ツボ
ふっけつ
だいちょうゆ

料理薬

料理薬のポイント
・下痢には、体内の毒素を排出するために、どんどん排泄した方が良い場合と、脱水症状を抑えるために、排泄を止めた方がいい場合があるので、ここでは料理薬をご紹介できません。
  医師の診断のもとに治療を行って下さい。

・便秘の料理薬は、いままでも説明しましたが、十分な水分食物繊維の多い食事、そして適度な運動睡眠です。
 あえて料理薬はご紹介しません。
 水分と食物繊維の多い食事(ゆでた野菜が、水分も補給できて効果的)を、お腹をこわすと思うくらい食べて下さい。

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