福娘童話集 きょうの小話
福娘童話集 > きょうの江戸小話 > 9月の江戸小話 > やぶ医者

9月2日の小話

やぶ医者

やぶ医者

 向こうから、お医者がやってきました。
 そこへ店のこぞうが、かけてきてぶつかり、医者は、はずみでころんでしまいました。
「あぶないではないか、これ」
 医者は立ちあがって、こぞうのえり首をつかまえると、手をあげてたたこうとします。
 すると、こぞうが、
「足でけるのはかまいませんが、手でぶつのだけは、どうか、どうか、ごかんべんください」
と、いいます。
 医者は、おかしなことをいうものだとおもって、
「はて、なぜ、そのようなことをいう」
と、きくと、こぞうは、
「足でけられても、命はなくなりませんが、あなたさまのお手にかかると、助かる者も助からないと、もっぱらのひょうばんですから」

おしまい

366日への旅 トップへ移動

今日は何の日へ移動  今日の誕生花へ移動  今日の誕生日へ移動
福娘童話集 きょうの世界昔話  福娘童話集 きょうの日本昔話へ移動 今日のイソップ童話へ移動

トップページへ移動   このページを閉じる   ホームへ移動