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福娘童話集 > きょうの新作昔話 >ほらふき男爵 巨大魚に飲み込まれた話
2014年 2月14日の新作昔話
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ほらふき男爵 巨大魚に飲み込まれた話
ビュルガーの童話 → ビュルガーの童話の詳細
わがはいは、ミュンヒハウゼン男爵(だんしゃく)。
みんなからは、『ほらふき男爵』とよばれておる。
今日は、わがはいがあやうく命を落としかけた話をしよう。
フランスは、マルセーユ近くの海で泳いでいた時の事。
ふと気がつくと、波を立てながら巨大な魚が大口を開けて襲ってきた。
鉄砲もナイフもないわがはいは、あっという間に飲み込まれてしまった。
しかし、数々冒険をこなしたわがはいは、あわてる事がなかった。
魚の胃袋に到達したわがはいは、胃袋の中で飛んだりはねたり、スコットランドダンスを踊りまくったりもしてやった。
あんのじょう、魚のやつはビックリだ。
何しろ自分の胃袋が、勝手に大暴れしたのだからな。
そこで巨大魚が大暴れしているの見つけたイタリア人の漁師たちが、モリを打ち込んで巨大魚をしとめてくれたのだ。
イタリア人漁師たちは巨大魚を甲板に引き上げると、
「腹を切って、油をとろう」
と、言っている。
巨大魚と一緒に切られてはたまらないので、わがはいは巨大魚の胃袋の中から大声をあげた。
「腹を切るのはやめろ! 中には人が入っているのだ! それよりも魚の口から、ナイフを投げ入れてくれ。わがはいはそれを使って、自分から出ていくから」
いやはや、わがはいが巨大魚の腹から出てきた時の、イタリア人漁師たちの驚きようといったらなかったぞ。
ともかく無事に助かったおかげで、今、こんなおしゃべりが出来るわけじゃ。
『海で泳ぐ時は、くれぐれも巨大魚に飲み込まれぬ様に』
これが、今日の教訓だ。
では、また次の機会に、別の話をしてやろうな。
おしまい
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