福娘童話集 > 新作の紹介 福娘童話集 きょうの新作昔話 童話・昔話・おとぎ話の福娘童話集
     6月25日の豆知識

366日への旅
きょうの記念日
住宅デー
きょうの誕生花
ゆり
きょうの誕生日・出来事
1986年 松浦亜弥(歌手)
  6月25日の童話・昔話

福娘童話集
きょうの日本昔話
幸運をまねくネコ
きょうの世界昔話
十三匹のハエ
きょうの日本民話
一つおぼえ
きょうのイソップ童話
ノミと人間
きょうの江戸小話
昼寝
広告
 


福娘童話集 > きょうの新作昔話 >良寛

2014年 6月25日の新作昔話



良寛
新潟県の民話新潟県の情報

 良ェ(りょうかん)は、越後国(えちごのくに→新潟県)の名主の息子に生まれ、俳人でもあった父の影響を受けて、書や和歌、漢詩で名を広めた人物です。
 この良ェは人付き合いが苦手で、十八歳で出家したのち、約三十年もの間、全国を旅しながら修行を続け、そしてその後は故郷の近くの山寺で暮らしました。
 これは、その良ェが出雲崎(いずもさき→新潟県三島郡)の山寺に住んでいた頃のお話しです。

  ある日の事、村から帰ってきた良寛は、お寺の縁側の床がふくらんでいる事に気づきました。
「おや? どうした事だ?」
 不思議に思った良ェが床下をのぞいてみると、なんと床下から一本の竹の子が生えていて、床を下から押しているのでした。
「ああ、これは大変だ!」
 良ェは急いで物置へ行くと、のこぎりを持ってきました。
 そして、そののこぎりで竹の子を切るのかと思えば、なんと良ェは竹の子の真上の床を四角く切り抜いたのです。
「これでよし。きゅうくつな思いをさせてすまなかったね。さあ、竹の子さん。遠慮はいらんから、ずんずんと伸びなされよ」
 良ェとは、こんな人物だったのです。
 さてこの竹の子は、それからも毎日すくすくと大きくなりました。
「がんばれ、竹の子さん」
 良寛は、毎日大きくなる竹の子を見て大喜びです。
 でもそのうちに、
「いや、これはどうしたものかのう?」
 何と竹の子は、天井に届くまで大きくなってしまったのです。
「天井を切れば雨がもるし、かといって、竹の子を切るのも可哀想だ。天井と竹の子、どっちが大切かと言うと」
 ちょっと考えた良寛は、物置からのこぎりとはしごを持ってくると、竹の子の周りの天井を四角く切り抜いてやったのです。
「さあ、もう安心じゃよ。竹の子さん、がんばれよ」
 おかげで小さかった竹の子は、立派な竹になりました。
 でも雨が降ると天井の穴から水が入ってきて、お寺の床は水びたしになってしまいます。
 それでも良寛は満足げに、
「なあに、雨でぬれた床は拭けばいい。それより竹さんが、雨をあびて喜んでおるわ」
と、言ったそうです。

おしまい

ページを戻る

新作の紹介メニュー

福娘童話集

新作の紹介
福娘のサイト
366日への旅
毎日の記念日・誕生花 ・有名人の誕生日と性格判断
福娘童話集
世界と日本の童話と昔話
女の子応援サイト さくら
職業紹介・誕生日占い・おまじないなど
子どもの病気相談所
病気検索と対応方法、症状から検索するWEB問診
世界60秒巡り
国旗国歌や世界遺産など、世界の国々の豆知識