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2017年 5月 22日の新作昔話
わがままな子ども
グリム童話 → グリム童話とは
むかし、とてもわがままな子どもがいました。
お母さんの言いつけた事は何もせず、人に嘘を言ったり、人の物を盗んだり、人に乱暴をしたりと、いつも悪い事ばかりしています。
でもお母さんは子どもが可愛いので、決して叱る事はありませんでした。
そして子どももそれを知っているので、
「何をしても、お母さんは叱らない。どんなイタズラをしても、お母さんが守ってくれる」
と、ますます悪い事をする始末です。
そんなある日、さすがに子どもの行いに腹を立てた神さまが、子どもを病気にしました。
神さまは、子どもが病気になれば少しはおとなしくなるだろうと思ったからです。
でも子どもは病気になってもおとなしくなるどころか、ますます悪い子になりました。
そしてお母さんは、決して子どもを叱る事はありませんでした。
ますます悪い子になった子どもは、
「今日は、おとなしく寝ていなさい」
と、いうお母さんの言いつけに逆らって川で遊び、そのまま川におぼれて死んでしまいました。
お葬式の日、子どもはお墓に埋められて、その上へ土がかけられました。
するとその時、土の中から子どもの腕が出てきて、土を周りの人に投げつけるイタズラを始めたのです。
お葬式に集まった人達は子どもの腕を土の中に戻しますが、何度戻しても子どもの腕が土から出てきて周りの人に土を投げつけます。
そこでお母さんは子どもの腕の側に行くと、初めて子どもを叱りました。
「あなたって子は、死んでまで人様に迷惑をかけて!」
お母さんがそう言って子どもの手をピシャリと叩くと、子どもの手は土の中に潜って二度と出てくる事はありませんでした。
お母さんに初めて叱ってもらえた子どもは、土の下で安らかに眠りました。
おしまい
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