| 福娘童話集 > きょうの新作昔話 >ヘビの足 2025年5月12日の新作昔話
 
  イラスト myi   ブログ sorairoiro
 
 イラストの隠しキャラを探してみよう。
 (葉っぱウサギ)
 
 正解は、お話しの最後にあります。
 
 ヘビの足
 中国の昔話 → 中国の国情報
 
 アニメサイズ
        Max 2880×2160
 
 
  むかしむかし、村人たちが集まって、お寺の掃除をしていました。掃除が終わると、お坊さんがお酒を入れたツボを持ってきました。
 
  「ごくろうさまでした。少しですが、お酒をめしあがってください」「ありがとう」
 
   みんなはお礼を言って、お酒を受け取りました。ところが村人は五人いるのに、お酒はツボに一人分しか入っていません。
 
  みんなで飲むには、とてもたりません。すると、一人の男が言いました。
 
  「では、こうしたらどうだろう。みんなで地面に、ヘビの絵をかく競争をするのさ。
 一番はやくかきあげた者が、一人でお酒をいただくんだ」
 
  「なるほど、それは面白い。よし、それで決めよう」「ではいくぞ。よーい、ドン!」
 
   みんなはいっせいに、ヘビの絵をかきはじめました。 
  すると一人の男が、一番はやくかきあげました。 
  「出来たぞ! おれが一番だ! あっははは。みんなには悪いが、この酒はおれがちょうだいするよ」男はそう言って酒ツボに手をのばそうとしましたが、ふと気がついて、
 
  「しまった! これはしくじったぞ。ヘビに足をつける事を忘れていた」 
  と、あわててヘビの足をかきはじめたのです。
 するとそれより先に、ほかの男がヘビをかきあげました。
 
  「出来た。酒は、おれの物だ」 
   男はそう言うと、お酒をおいしそうに飲みました。 
   はじめの男が残念そうに見ていると、酒を飲んだ男が笑って言いました。
 「バカだな、お前は。
 
   よく考えてみろ、ヘビに足があってたまるもんか。そんなよけいな物をくっつけようとするから、こんなうまい酒を飲みそこねるんだよ」
 
 それからです、よぶんな物をつける事を『蛇足(だそく)』と言うようになったのは。
 おしまい   
 隠しキャラの正解
 
 
 
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