|  | 2025年8月18日の新作昔話 葉っぱの手紙 
 
 
 たいへん、けちん坊な旦那(だんな)がおりました。 
 ある時、手紙を出そうと思いましたが、急に紙に書くのがもったいなくなりました。 
 「人にやるもんに、紙はもったいない。あれに書こう」 
 旦那は庭のカキの木の葉っぱを二、三枚取ると、 
 それに手紙を書いて使いの者に持たせました。 
 さて、それをもらった相手の旦那も、手紙を出した旦那に負けずけちん坊です。 
  「ほほう。カキの葉っぱの手紙とは、あいつもなかなかやるな。では」 
 「すまないが上着を脱いで、背中を出しなさい」 
  言われた通りにすると、その背中へさらさらと手紙の返事を書きました。 
  「ごくろうだった。して、手紙の返事はもらったかい?」 
   使いの者が背中を見せると、けちん坊の旦那は残念に言いました。 おしまい 
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