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第 8話
軍馬と粉屋
年老いて身体の弱った軍馬が、戦場へ送られる代わりに粉ひき場へと送られました。
彼は自分の運命なげいて、粉屋にこう言いました。
「聞いておくれよ粉屋さん。
俺はこう見えても、昔は戦場でたくさんの手柄を立てたものさ。
きれいな鎧で飾られて、いつも馬丁が付きっきりで世話を焼いてくれたものさ。
・・・でも、今ではこの有様」
すると、粉屋が言いました。
「ねえ、昔の事をくどくど言うのはおよしよ。
人生には、浮き沈みがつきものさ。
今は、これからの生活を考えなくっちゃ」
以前がどうこうと言っても、これからの暮らしが変わる事はありません。
今は、今出来る精一杯の事をするしかないのです。
おしまい
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