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 第 5話
 
  
 こまったむすこ
 
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 制作: フリーアナウンサーまい【元TBS番組キャスター】
 
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 制作 : 朗読ヒツジのメイチャンネル
 
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 投稿者 ごえもん
 
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 投稿者 「ぐっすり眠れる優しいおやすみ朗読」
  むかしむかし、あるところに、せけんしらずの、こまったむすこがおりました。あるとき、むすこがにわの木にのぼっていると、おそうしきのぎょうれつがとおりました。
 むすこはそれを、木の上からながめています。
 すると親が飛んできて、むすこをしかりつけました。
 「おそうしきの人たちがとおるときには、木からおりて、なむあみだぶつとおがむものだ」
 さて次の日。
 むすこが木にのぼっていると、今度は、お嫁入りのぎょうれつがとおりました。
 むすこは木からおりて、
 「なむあみだぶつ」
 と、おがみました。
 するとまた、これを親がみつけて、
 「お嫁入りのぎょうれつのときには、おめでたいうたのひとつもうたうものじゃ!」
 と、しかりつけました。
 また次の日。
 むすこがまちへいくと、火事があって、おおぜいさわいでいます。
 むすこはみんながさわいでいるので、これはおめでたいことだろうとおもって、おめでたいうたをうたいました。
 すると、
 「ここは火事場だぞ。おめでたいうたなどうたうもんでねえ! 家をなくした人のみにもなってみろ」
 こっぴどくしかられて、ぼうでたたかれてしまいました。
 うちに帰って、むすこがわけをはなすと、
 「そういうときには、水の一ぱいもかけてやるもんだ」
 と、またまた、親にしかりつけられました。
 またまた次の日。
 むすこがまちへいくと、かじやがまっ赤に火をおこして、鉄(てつ)をとかしていました。
 むすこは火事かとおもって、水をぶっかけました。
 「このやろう、なにするだ!」
 かじやはおこって、おいかけてきました。
 むすこがにげかえって、親にわけをはなすと、
 「そういうときは、たたいて、手伝うもんだ」
 またまた、しかりつけられました。
 さらに次の日。
 むすこがまちへいくと、よっぱらいとよっぱらいが、ぼうをふりあげて、けんかをしていました。
 むすこはふたりが仕事をしているものとおもって、ぼうをふりあげ、よっぱらいをたたいたところ、ぎゃくにさんざんたたかれて、こぶだらけです。
 むすこがうちに帰って、わけをはなすと、
 「けんかをみたら、とめるもんだ」
 またまた、しかられました。
 そのまた次の日。
 むすこがまちへいこうとすると、とちゅうで、ウシとウシがけんかをしていました。
 「よし、今度こそ、ほめられよう」
 むすこはウシとウシの間に入って、けんめいにとめようとしましたが、ウシのツノでつかれて、大けがをしたということです。
 おしまい   
 
 
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