福娘童話集 > きょうの日本昔話 福娘童話集 きょうの日本昔話 童話・昔話・おとぎ話の福娘童話集
広 告
 


福娘童話集 > 日本昔話 > その他の日本昔話 > たのまれたてがみ

第 10話

たのまれたてがみ

たのまれたてがみ

※本作品は、読者からの投稿作品です。 投稿希望は、メールをお送りください。→連絡先

制作 : 朗読ヒツジのメイチャンネル

※本作品は、読者からの投稿作品です。 投稿希望は、メールをお送りください。→連絡先

投稿者 ごえもん

♪音声配信(html5)
朗読者 : ひろりん

 むかしむかし、ある男が、大きな沼(ぬま)のそばをとおると、沼のなかからきれいなむすめがでてきて、
「ちょっと、おねがいがあるのですが」
と、男をよびとめました。
「このさきのほうに、もうひとつ沼がありますから、そこへいって、タンタンと手をうつと、わかものがでてきます。そのわかものに、このてがみをわたしてください」
「ああ、いいとも」
 男はこころよくひきうけて、もうひとつの沼のほうへあるいていくと、とちゅうに茶店がありました。
 男は茶店の主人と、むかしからの顔なじみです。
「のどかわいたから、お茶を一ぱいくれ」
 男が茶店にこしをおろすと、
「これから、どこさいくつもりだね」
と、主人がききました。
 そこで、男がわけをはなすと、主人はくびをひねりました。
「沼のむすめに、てがみをたのまれただって。へんなことがあるものだ。ちょっとみせろや」
 男があずかったてがみをひろげると、そこにはなんと、
《この男は、うまそうなむらさきいろのしりをしている。とって、くうべし》
と、おそろしいことが、かかれていました。
「おそろしいことだ。しらずにてがみをとどけたら、くわれるところだったぞ。・・・うん。まてよ。・・・よし、わしに、いいかんがえがある」
 茶店の主人は、ふでをとると、
《この男には世話になった。小判をとらせてやるべし》
と、てがみをかきかえて、男にもたせました。
 男がとなりの沼へいって、タンタンと手をたたくと、むすめがいったとおり、沼のなかからわかものがでてきました。
 わかものは、てがみをうけとると、
「そうか、わかった。少し待っていろ」
 沼にもぐると、手にふくろを持ってあらわれ、
「これを、もってゆけ」
 そのふくろを差しだしました。
 中を開けてみると、小判がたくさん入っています。
 男はそれを茶店の主人とわけあい、ふたりはお金持ちになりました。

おしまい

前のページへ戻る


福娘の姉妹サイト

http://hukumusume.com

366日への旅
毎日の記念日などを紹介
福娘童話集
日本最大の童話・昔話集
さくら SAKURA
女の子向け職業紹介など
なぞなぞ小学校
小学生向けなぞなぞ