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 第 14話
 
  
 鬼退治
 
 ※本作品は、読者からの投稿作品です。 投稿希望は、メールをお送りください。→連絡先
 
 制作: フリーアナウンサーまい【元TBS番組キャスター】
 
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 制作 : 朗読ヒツジのメイチャンネル
 
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 投稿者 ごえもん
  むかしむかし、旅人が薄暗い森の中を歩いていると、急に、ガサガサ、ゴソゴソ
 と、音がして、大きな金棒を持った鬼が出てきたのです。
 「ガハハハハ、ちょうど腹が減ったところだ。うまそうな人間じゃわい」
 鬼は大きな手でヒョイと旅人をつまみあげると、アングリと大きな口を開けました。
 旅人は、ジタバタと暴れながら言いました。
 「ま、待ってくれ! どうか、命だけはお助けを!」
 「いいや、待てねえ。わしは腹が減っているんだ。どうしても、おめえを食うぞ」
 旅人は、もう駄目だと思いましたが、その時、ふと名案が浮かびました。
 「鬼さん、鬼さん。それでは、食われる前に一つだけ聞かせてくれ。鬼さんはどんな物にでも化けられと聞くが、雲をつくような大きなクマにはなれるのか?」
 「ガハハハハ、そんな物、お安いご用じゃ、よおっく、見とれよ」
 そう言うと鬼は、見る見るうちに、とても大きなクマになってキバをむきました。
 「わかった、わかった。これはすごい。だけど、いくら鬼さんでも、豆粒みたいに小さな物にはなれないだろうな」
 「なにを! このわしに化けられない物はない!」
 鬼はそう言うと、大きなクマから、スルスルスルと小さくなっていき、小さな豆粒になってしまいました。
 「どうだ! 驚いたか!」
 すると旅人は、ニッコリ笑って、
 「おおっ、さすがは鬼さん。大した物だ。では、ごちそうさま」
 と、鬼が化けた豆粒をヒョイとつまみ上げると、それをポイと口に入れて、ポリポリと食べてしまいました。
 おしまい   
 
 
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