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第 23話
たまご長者
日本昔話
※本作品は、読者からの投稿作品です。 投稿希望は、メールをお送りください。→連絡先
制作 : 朗読ヒツジのメイチャンネル
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投稿者 ナレーター熊崎友香のぐっすりおやすみ朗読
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投稿者 ごえもん
むかしむかし、ある村に、とても親切なおじいさんがいました。
ある寒い日の事、おじいさんが仕事から帰ってくると、家の前にボロボロの着物を着た男が立っていました。
男は寒さにブルブルと震え、今にも倒れそうです。
「お前さん、こんな所にいては体が凍えてしまうよ。さあ、遠慮せずに中に入りなさい」
おじいさんは男を家に入れてやるといろりに火をおこし、とっておきのお酒を出してやりました。
「身体が冷えた時は、お酒が一番です」
お酒を一口飲んだ男は、涙を流して喜びました。
「ああ、おいしい。まるで生き返ったようです。ありがとうございます。ありがとうございます」
それからおじいさんは男に自分の分の晩ご飯を食べさせてやり、自分の布団に男を寝かせてあげました。
次の朝、男はおじいさんをお礼を言うと、ふところからたまごを取り出して言いました。
「あなたは優しい人だ。お礼に、このたまごをあげましょう。何か困った事があったら、このたまごを転がしてください。このたまごが、あなたを助けてくれるでしょう」
男はそう言うと、どこかへ行ってしまいました。
それからしばらくしたある日、親切なおじいさんは悪い人にだまされて、家も畑も全て取られてしまったのです。
「さて、これからどこに行けばよいのやら」
家を追われたおじいさんは、ふと、ふところに入れたたまごの事を思い出しました。
「そうだ。困った事があったら、このたまごを転がせと言われていたな」
おじいさんは峠を登ると、たまごを転がしてみました。
するとたまごはコロコロ転がって、おじいさんが住んでいた家にぶつかって割れました。
そして割れたたまごがブルブルと震え、中から小判がザクザクと飛び出したのです。
そこでおじいさんはその小判で、自分の家や畑を買い戻しました。
「ありがたい。これで家も畑も元通りだ」
おじいさんが割れたたまごに手を合わせてお礼を言うと、割れたたまごがまたブルブルと震えて、さっきよりもたくさんの小判と、小さな小さな小人の大工達が次々と飛び出してきて、おじいさんの家を立派な屋敷に建て替えてくれたのです。
こうして大金持ちになったおじいさんは、それからも困っている人がいると親切にしてやり、人々からたまご長者と呼ばれるようになりました。
おしまい
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