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第 31話

そら豆の黒い筋

そら豆の黒い筋

 むかしむかし、あるおばあさんが、そら豆を煮(に)ようと思いました。
 そら豆をなべに入れようとすると、一粒のそら豆がなべからこぼれ落ちて、コロコロコロと庭のすみへ転がって行きました。
 それに気づかないおばあさんは、今度は火を付けようとワラを持って来たのですが、そこへ風がサーッと吹いてきて、一本のワラを庭のすみへ飛ばしました。
 それからおばあさんが火をたきつけて仕事をしていると、まっ赤になった炭が一つ、ポロリと下へ落ちて、これも庭のすみっこへ転がっていきました。
 こうして庭のすみっこで、そら豆とワラと炭が出会ったのです。
 そら豆が、言いました。
「ワラさん、炭さん、わたしたちがここで出会ったのも、何かのご縁です。どうです、これから一緒に、お伊勢参り(いせまいり)に行きませんか?」
「そりゃ、いいね」
「よし、さっそく出かけよう」
 こうして、そら豆とワラと炭は、そろって出かけました。

 さて、みんなは川の所まで来ましたが、この川には橋がありません。
 橋がなければ、川を渡れません。
 すると、ワラが言いました。
「わたしは背が高いから、橋になってあげるよ。そら豆さん、炭さん、どうぞ渡りなさいな」
「それは、ありがたい」
 そら豆が先に渡ろうとすると、炭が怒って言いました。
「わたしが先に渡るんだ。そら豆さんは次にしろ!」
 するとそら豆は、ムッとして言い返しました。
「いや、わたしが先だ!」
「いいや、わたしが先だ!」
 炭は、そら豆をポンと突き飛ばして、先にワラの橋を渡り始めました。
 ところが半分まで渡った時、川の流れを見た炭は怖くなって足がすくんでしまいました。
「どうした、炭さん。先に渡るのなら、早く渡れよ」
 そら豆がせきたてても、炭は怖くて動けません。
 そのうちに炭の熱でワラが燃え出して、炭とワラはボチャンと川に落ちてしまいました。
 それを見て、そら豆は大笑いです。
「アハハハハハッ、わたしを突き飛ばして、先に渡ろうとするからだよ。アハハハハハッ、アハハハハハッ・・・」
 そら豆は、あんまり笑いすぎたので、お腹がパチンとはじけてしまいました。
「あっ! ・・・困ったな。こんなかっこうじゃ、みっともなくて、どこへも行けないよ。どうしよう?」
 そら豆が泣いていると、そこへ仕立屋(したてや→さいほう屋)さんが通りかかりました。
「おやおや、どうしたね、そら豆さん」
「実は、あんまり笑いすぎて、お腹が破けたんだよ」
「そりゃ、気の毒に。どれどれ、わたしは仕立屋だから、破けたお腹をぬってあげよう」
「ありがとう。よろしく頼みます」
 仕立屋は針と糸を取り出して、そら豆のお腹をチクチクチク、チクチクチクと、ぬいました。
 ところがあいにく緑色の糸がなかったので、仕立屋は黒い糸でぬったのです。

 そら豆に黒い筋が出来たのは、その時からだそうです。

おしまい

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