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第 34話

カニの餅つき

カニの餅つき

 むかしむかし、いじわるなサルが、カニのところへやってきました。
「カニさん、カニさん。今日はいいお天気だから、いっしょに田んぼへ行かないか?」
「いいけど、田んぼに何をしに行くの?」
「もち米の、落ち穂(ほ)をひろいにさ。たくさん集めてもちをついて、二人でドッサリと食ベよう。つきたてのもちは、おいしいぞ」
「わあ、つきたてのおもちか。いいなあ、いこう、いこう」
「じゃあ、カニさんはこのカゴをしょいな。ぼくは、こっちのカゴだ」
 サルとカニはカゴを背負って、田んぼへ急ぎました。
 カゴの大きさは同じでしたが、カニのカゴにはサルが穴が開けていました。

 サルとカニは、田んぼにつきました。
「よーし、がんばるぞ」
 カニはあちこち走り回って落ち穂をひろい、自分のカゴにポイポイ投げこみました。
 けれどもカニのカゴには穴が開いているので、ひろった落ち穂はポロポロとこぼれ落ちてしまいます。
(よしよし、カニの落とした落ち穂をひろえば楽ちんだ)
 サルはカニの後をついて回り、こぼれ落ちた落ち穂をヒョイヒョイとひろいました。
 そしてサルのカゴがいっぱいになったころ、サルがカニに聞きました。
「おーい、カニさん。たくさんひろったかい?」
「うん、たくさんひろったよ。・・・あれ?」
 カニはハサミをカゴにつっこんでみましたが、ひろったはずの落ち穂は少ししかありません。
「あれ? まだたまってないや」
「何をやっているんだい。ぼくなんか、こんなにいっぱいにひろったのに!」
「・・・ごめん」
「しょうがない。ぼくのを分けてあげるよ。ただし、きみはなまけたバツとして、臼(うす)ときねを用意するんだ。それからもちをつくのも、きみの仕事だよ」
「うん、わかった」
 カニは家に帰ると、重い臼ときねを持ってきました。
 それから一人で、ペッタンペッタンと、もちつきを始めました。
 そのあいだサルは、のんびりと昼寝です。
「ふーっ、やっと出来たよ」
 カニはがんばって、やわらかくておいしいもちをつきあげました。
「ごくろうさん」
 昼寝から起きたサルはカニがつきあげたもちを全部かかえて、スルスルスルとカキの木にのぼってしまいました。
 そして一人で、もちをパクパクと食ベはじめたのです。
「サルさん、ずるいじゃないか」
「ほしけりゃ、ここまで登っておいで」
 サルはできたてのもちをカニに見せびらかせながら、うまそうに食ベます。
「サルさん、一つでいいからくれないか」
「ほしけりゃ、ここまでのぼっておいで」
「のぼれないから、投げておくれよ」
「いやだね。ほしけりゃ、ここまでおいで」
「うーん、くそー」
 カニは、くやしくてたまりません。
 そのうちにある事を思いついたカニは、わざと聞こえるような声でつぶやきました。
「そう言えば、もちは枯れ枝にかけて食ベるとずっとおいしくなると、おじいさんが言っていたな」
 それを聞いたサルは、もちのかたまりをそばの枯れ枝にヒョイとかけました。
 するともちの重みで枯れ枝はポッキリおれて、もちは下にいたカニの前にドスーンと落ちました。
 カニはもちをハサミで持ちあげると、すぐに自分の穴へ入りました。
「しまった」
 サルはあわてて木から飛びおりると、カニの穴の入り口にかけつけました。
「ねえカニさん、もちを少しわけておくれよ」
「ほしけりゃ、ここまで入っておいで」
「穴が小さくて入れないから、投げておくれよ」
「いやだね。ほしけりゃ、ここまで入っておいで」
「よーし、そっちがその気なら」
  怒ったサルは、カニの穴にお尻を向けました。
「穴の中に、おならをしてやるからな!」
 するとカニは穴からハサミを出して、サルのお尻の毛をむしりました。
「痛いっ。いててててっ!」
 サルはお尻をかかえると、そのまま逃げていきました。

 この時からです、サルのお尻は毛がなくなってまっ赤になったのは。

おしまい

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