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第 36話

ふしぎなたいこ

ふしぎなたいこ

 むかしむかし、げんごろうさんという人が、ふしぎなたいこを持っていました。
 表側をトントンたたいて、
「鼻、高くなあれ。鼻、高くなあれ」
と、言うと、鼻が高くなります。
 反対に裏側をトントンたたいて、
「鼻、低くなあれ。鼻、低くなあれ」
と、言うと、鼻が低くなります。
 げんごろうさんは人に頼まれると、トントンと、たいこをたたいて鼻を高くしたり低くしたりしてあげました。

 ある日の事、げんごろうさんは、ちょっといたずらをやってみたくなりました。
「トントントントンと、どこまでもたいこをたたいたら、おれの鼻はどこまでのびるのだろう。どれ、ためしてみよう」
 そこでたいこを持って原っぱへ行って、トントントントンとたたきました。
「鼻、高くなあれ。鼻、高くなあれ」
 すると鼻はニョキニョキとのびて、腕の長さぐらいになりました。
 トントントントン、トントントントン。
 鼻はたたくたびにのびて、木よりも高くなりました。
 トントントントン、トントントントン。
 鼻は、山より高くなりました。
 トントントントン、トントントントン。
 鼻はとうとう、白い雲に届きました。

 さて、この雲の上は天国です。
 ちょうど天国の大工たちが、天の川の橋をかけているところでした。
 そこへげんごろうさんの鼻が、下からのびてきたのです。
 でも天国の大工たちは、それが鼻だなんて知りません。
 うっかり鼻を材木と間違えて、橋のらんかんにしばりつけてしまいました。

 下の原っぱでは、げんごろうさんがビックリしています。
「あれっ! 鼻がつかえてしまったぞ。仕方ない、少しひっこめよう」
 今度はたいこの裏側をトントントントン、トントントントンと、たたきました。
「鼻、低くなあれ。鼻、低くなあれ」
 ところが鼻はギュッとしばってあるので、鼻が短くなるたびに、げんごろうさんの体は空へあがっていきました。
「うひゃあ、どうして体があがっていくんだ!」
 げんごろうさんは、大あわてです。
 それでもトントントントン、トントントントンとたたいてたたいて、げんごろうさんは雲の上の天国にやって来ました。
 天国の大工さんたちは昼ご飯を食べに行って、仕事場には誰もいませんでした。
「なんだ、おれの鼻を材木と間違えたのか。そそっかしいなあ」
 げんごろうさんは、自分でなわをほどきました。
 でも、どうやって帰ったらいいのでしょう。
「困ったなあ」
 腕組みをしながら考えていると、足もとの雲が風に吹かれて動きました。
 すると雲のすきまから、青い湖が見えました。
「うわー! いいながめだな。・・・ああっ!」
 げんごろうさんは足をふみはずしてしまい、まっさかさまに湖のまん中へ、
 ボッチャーーン!!
と、落ちました。
 げんころうさんは何とか助かりましたが、このままではいつかおぼれてしまいます。
 げんごろうさんは岸を探して、一生懸命にに泳ぎました。
 そして、ずーっと、ずーっと泳いでいたら、いつのまにか手と足がなくなって、さかなのようにひれと尻尾が生えました。
 そして体には、うろこが生えました。
 そしてついにはげんごろうさんは、『げんごろうブナ』という小さなさかなになってしまったのです。

おしまい

おまけ
ささずんと昔話講座 第09話【ふしぎなたいこ】

読者の「NS.MOOOON」さんの投稿作品。

知っているようで知らない日本昔話を、ゆっくりの解説でずんちゃんとささらちゃんが学んでいく動画です。

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