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      第 73話 
          
          
         
最後の豆 
       
      ※本作品は、読者からの投稿作品です。 投稿希望は、メールをお送りください。→連絡先 
      
       
      制作: フリーアナウンサーまい【元TBS番組キャスター】 
       
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      投稿者 お眠りあまつかぜ 
       
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      投稿者 ナレーター熊崎友香のぐっすりおやすみ朗読 
      
       むかしむかし、とても豆作りの上手な男がいて、家の畑で色々な豆を作っては大黒さまにお供えをしていました。 
         
 ある日の事、そろそろお嫁さんが欲しいと思った男は、大黒さまにお願いをしました。 
「大黒さま。どうか、おらに嫁っこを授けてくだされ」 
 すると、その夜の夢枕に大黒さまが現れて、こう言ったのです。 
「今日から三年の内に百種類の豆を集められたら、良い嫁を世話してやろう。ついでに村一番の長者にもしてやるぞ」 
 
 それから男は必死になって色々な豆を作り、暇さえあればあちこちに旅をして新しい豆を探しました。 
 こうして九十九種類の豆を集めたのですが、どうしてもあと一種類が見つかりません。 
 
 今日はいよいよ、約束の三年目です。 
 疲れ切った男は、大黒さまに手を合わせて謝りました。 
「大黒さま。おら、この三年間頑張っただども、約束の百種類まであと一種類が足りねえ。申し訳ねえ」 
 するとその夜、夢枕にまた大黒さまが現れて言いました。 
「この三年間、よく頑張ったな。百種類の豆は確かに受け取ったぞ。約束通り、嫁の世話と村一番の長者にしてやろう」 
「しかし、おらの集めた豆は九十九で、あと一つ足りねえだ」 
 男がそう言うと、大黒さまは男の手や足を指さして言いました。 
「最後の豆は、お前の手足にある」 
 そこで目覚めた男が自分の手足を見てみると、確かに、今まで一生懸命働いて出来た豆がありました。 
 
 それからしばらくしたある日の事、男の働きぶりに感心した村一番の長者が、一人娘の婿になって欲しいと言ってきたのです。 
 こうして男は良い嫁さんを手に入れて、村一番の長者になったのでした。  
      おしまい 
         
         
        
        
       
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