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福娘童話集 > 日本昔話 > その他の日本昔話 >犬が片足をあげておしっこをする理由 
      第 92話 
          
          
         
犬が片足をあげておしっこをする理由 
       むかしむかし、犬には足が三本しかありませんでした。 
 三本足では歩きにくいので、犬は神さまにお願いしました。 
「神さま、どうか足をもう一本増やしてください」 
 すると神さまは、 
「確かに、三本足では何かと不自由だな。しかし、お前の足を増やすとなると、その代りに何かの数を減らさなくてはならんのじゃ。世の中に、足の数が減っても良い物とは?」 
と、腕組みして考えました。 
 そして、ふと良い考えを思いついて言ったのです。 
「そうじゃ、香炉(こうろ)は歩かなくても良いのに、足が四本あるぞ。よし、香炉から足を一本取って、それをお前にやろう」 
 それから香炉は三本足になって、犬は四本足になりました。 
 でも、いきなり四本足になった犬は、おしっこをするときにおしっこを足にかけてしまいます。 
 そこで犬は、 
「せっかく神さまからもらった足を、おしっこで汚しては申し訳ない。これからは片足をあげておしっこをしよう」 
と、おしっこをする時は、片足をあげるようになったそうです。 
      おしまい  
         
         
        
        
       
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