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福娘童話集 > きょうの世界昔話 > その他の世界昔話 >ほらふき男爵 冬のロシアの旅 前編

第271話

ほらふき男爵 冬のロシアの旅

ほらふき男爵 冬のロシアの旅 前編
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投稿者 「テツの朗読チャンネル

 わがはいは、ミュンヒハウゼン男爵(だんしゃく)
 みんなからは、『ほらふき男爵』とよばれておる。
 今日も、わがはいの冒険話を聞かせてやろう。

 これは、冬のロシアヘ旅行をした時の話しだ。
「たしかこの辺りに、大きな町があったはずだが?」
 馬に乗って町へやって来たつもりが、辺りは一面の銀世界。
 日が暮れてきたのに、ここには人家一つなかった。
「仕方がない。今夜はここで野宿だ」
 わがはいは雪の上に出ていた杭(くい)に馬をつなぐと、雪をベッドに一夜を明かした。
 そして朝になり、起きてみて驚いた。
 いつの間にか、わがはいは町の大通りのまん中に寝ていて、雪の上の杭につないだわがはいの馬が、教会の屋根の風見(かざみ→風向きをしる道具)にぶらさがっていたのだ。
「・・・なるほど、そうか」
 溶けていく雪を見て、その理由がわかった。
 わがはいが杭と思って馬をつないだのは、そもそもあの風見であったのだ。
 あまりの寒さに町ごと雪にうまっていたのが、朝になって雪が溶け出したために、わがはいは道にしずみ、馬は屋根にとり残されてしまったのだ。
 わがはいは鉄砲を撃ってウマの手綱(たづな)を切り離すと、何とか愛馬を取り戻した。

 雪の上で野宿をするときは、雪の下に町が埋まっていないか確かめよう。
 これが、今日の教訓だ。

 では、また次の機会に、別の話をしてやろうな。

おしまい

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