11月10日 トイレの日
「11(いい)10(ト)イレ」ということで、日本トイレ協会が1986(昭和61)年に制定しました。同協会はこの日に「トイレシンポジウム」を開催し、公衆トイレを対象とした「グッドトイレ10賞」や「トイレレポートコンクール」の表彰などを行っています。
記念日アニメ
トイレに関する昔話
(日本の小話)
くさい商法
福娘童話集より
むかし、むかし、上野は、しのばずの池の弁天(べんてん)さまが、ひさしぶりのお開帳(かいちょう→ふだんは見せない物を公開すること)ということになりました。
さあ、ゆうめいな弁天さまのこと。
お堂のある小さな島は、朝早くから日のくれまで、たいへんなにぎわい。
あめ屋に、だんご屋、おもちゃ屋など、小さな出店の客をよぶ声に、チンチンチンと器用に子どもの名前をほりあげる、まい子の札売りまで、そして、ひときわさわがしいのは、四六のガマの油売りに、古着屋のたたき売りに、松井源水(まついげんすい→有名な、こま回し師)のこま回し。
出店から少しはなれたところには、茶屋も、ずらりとならんでいます。
ところが、この島は弁天さまの島ですので、やたらに小便ができません。
これがまことに不便(ふべん)で、とりわけ女の人は、こまりはててしもうた。
これを見て、頭のいい男が、茶店のうらをかりて、貸し便所をつくった。
ひとりがつかうたんびに、五文(百五十円ほど)ずつとるので、たいへんなもうけです。
太郎作(たろうさく)は、客のたえない便所を見て、
「なるほど。こいつあ、うまい思いつきだ」
すっかり感心して、
「よし。おれも便所をつくって、ひともうけしよう」
と、さっそく家に帰って、女房にそうだんすると、
「一けんできたあとだもの。いまさらたてたところで、はやりっこないよ」
と、はんたいします。
「なあに、そんなことがあるもんか」
と、太郎作は、女房をむりやりときふせて、いまある便所のすぐとなりに、新しいやつをたてました。
ところが、太郎作の便所は、たてたそのときから、大はんじょう。
お客がずらりとならんで、じゅんばんを待たねばならないというありさま。
それにくらべて、はじめからあるとなりの便所ヘは、入るものがひとりもいません。
夕方になると、太郎作夫婦は、おもい銭箱(ぜにばこ)をかついで、家に帰ってきた。
「どうだい、女房。やっぱり、おれのいったとおりだろう」
と、太郎作は、鼻たかだかです。
女房は、いかにもふしぎそうに、
「それにしても、どうしてまあ、うちのほうばっかりに、人がくるんでしょうねえ?」
と、たずねれば、太郎作は、すました顔で、
「じつはな。ちっと、頭をつかった」
「あれ、おまえさんがかい?」
「そんなに、ふしぎがることはない。なに、となりの便所には、おれが一日中、入っていたんだ」
おしまい
他の記念日
エレベーターの日
日本エレベーター協会が1979(昭和54)年に制定。
1890(明治23)年、東京・浅草の「凌雲閣」に設置された日本初の電動式エレベーターが一般公開されました。
ハンドクリームの日
ユースキン製薬が2000(平成12)年に制定。
「いい(11)手(ten=10)」の語呂合せと、平年の最低気温が10℃を割ってハンドクリームの需要が高まる頃であることから。
肢体不自由児愛護の日
日本肢体不自由児協会の主唱で1953(昭和28)年から実施。
この日から12月10日までの一箇月間が「手足の不自由な子供を育てる運動」期間となっています。
毎年、肢体不自由児が描いた絵を載せた「友情絵はがき」「愛の絵はがき」の配布等が行われています。
技能の日
労働省(現在の厚生労働省)が1971(昭和46)年に制定。
1970(昭和45)年、アジア初の技能五輪(国際職業訓練競技会)が日本で開催されました。
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