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4月11日の日本の昔話
  
  
  
  おとうふ下さい
 むかしむかし、あるお寺に、わすれん坊の小僧がいました。
   ある日のこと、和尚(おしょう→詳細)さんが「おとうふを買ってこい」と、小僧にいってから、こうつけくわえました。
  「おまえはわすれん坊だから、『おとうふ、おとうふ』と、いいながら買いにいくといい」
  「わかりました。おとうふですね」
   小僧さんは和尚さんにいわれたとおり、
  「おとうふ、おとうふ」
  と、いいながら道を歩いていきました。
   ところが、とちゅうに小さな川があったので、小僧さんは、
  「どっこうしょ」
  と、いって、川を飛びこえました。
   そのとたん、小僧さんの言葉が、
  「どっこうしょ、どっこうしょ」
  に、かわってしまいました。
   おとうふ屋さんにつくと、小僧さんはいいました。
  「どっこうしょ、ください」
  「・・・・・・?」
   おとうふ屋さんは首をひねりました。
   いくら考えても、おとうふ屋さんにどっこうしょは売っていません。
  「お寺に帰って、もう一度きいておいで」
   小僧さんはしかたなく、お寺に戻っていきました。
おしまい