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ほいくえん・ようちえん の えどこばなし
ぱたぱた と ふうふう
ある おてらに ひどく よくばりの おしょうさんと ふたりの こぞうさんが いました。
おしょうさんは ひとに わけてやるのが だいきらいで おいしいものが あると こぞうさんに かくれて みんな たべて しまいます。
なかでも だいすきな おもちを もらったときは
「ささ おまえたち はやくねろ。 はやくねないと やまから おばけが くるぞ」
そういって こぞうさんを おいはらうことに きめていました。
けれども おもちを やく においは かくすことが できません。
ねたふりを している ふたりの こぞうさんは はなを ひくひく させて がまんするしか ありません。
「うまそうだなあ。 くいたいなあ」
そこで ふたりは そうだんして おしょうさんに いいました。
「おいらの なまえを 『ぱたぱた』と かえて くれませんか」
「おいらは 『ふうふう』に おねがいします」
ふしぎなことを いう こぞうだと おもいましたが べつに そんを するわけでも ありません。
「よし わかった 『ぱたぱた』 と 『ふうふう』 だな」
そのばん いつものように こぞうたちを おいはらった おしょうさんが ひとりで おもちを やいて。
「これは うまそうじゃ。 さて たべるまえに もちについた はいを おとしてと」
おしょうさんが 『ぱたぱた』と はいを はたいて たべようと すると
「はーい。 およびですか?」
と 『ぱたぱた』と なまえを かえた こぞうさんが とびこんで きました。
「べつに よんでいないが しかたがない。おまえも おもちを 1つ くえ」
ふたりが 『ふうふう』と あつい おもちを ふいて さましていると
「はーい およびですか?」
『ふうふう』と なまえをかえた こぞうさんが とびこんで きました。
「べつに よんでいないが しかたがない。 おまえも いっしょに くえ」
なまえを かえた おかげで ふたりの こぞうは おもちを たべることが できました。
おしまい
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