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        3年生の世界昔話(せかいむかしばなし) 
          
          
         
眠(ねむ)れる森の美女(びじょ) 
ペローの童話(どうわ) → ペローの童話(どうわ)のせつめい 
      
        
          | ♪音声配信(html5) | 
         
        
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          | 音声 得本綾(コトリボイス) ラジオHP | 
         
       
       むかしむかし、ある国のお城(しろ)で、お姫(ひめ)さまが生まれました。 
   王さまは国じゅうの人をよんで、お祝(いわ)いしました。 
   お祝(いわ)いには、十二人の魔法使(まほうつか)いたちも、やってきました。 
   だけどただひとり、十三人めの魔法使(まほうつか)いだけは、お祝(いわ)いによばれませんでした。 
   じつは、お城(しろ)には、魔法使(まほうつか)いたちの使(つか)うお皿(さら)が、十二枚(12まい)しかなかったからです。 
   お祝(いわ)いによばれた魔法使(まほうつか)いたちは、つぎつぎに進み出(すすみで)て、お姫(ひめ)さまにおくり物(もの)をささげました。 
  「きれいな人に、なるように」 
  「やさしい心を、持(も)つように」 
  「だれよりも、かしこくなるように」 
   そして、十二人めの魔法使(まほうつか)いが、進(すす)み出(で)たときです。 
   城(しろ)じゅうに、おそろしい声がひびきました。 
  「よくもわたしを、のけ者(もの)にしたね。姫(ひめ)よ、わたしのおくり物(もの)を、受(う)けるがいい。おまえは十五才の誕生日(たんじょうび)に、つむ(→糸つむぎの道具(どうぐ))にさされて死(し)ぬのだ」 
   十三人めの魔法使(まほうつか)いは、そういうと、消(き)えてしまいました。 
  「大変(たいへん)だ。どうすればいいのだろう」 
   人びとは、大さわぎです。  
  「待(ま)ってください。まだ、わたしが残(のこ)っていますわ」 
   そういったのは、十二人めの魔法使(まほうつか)いでした。 
  「お姫(ひめ)さまは、死(し)にません。つむにさされても、百年の間、眠(ねむ)るだけ。それから、りっぱな人のキスで目をさまします」 
   だけど、王さまは心配(しんぱい)で、たまりません。 
  「国中のつむを、1つ残(のこ)らず集(あつ)め、燃(も)やしてしまえ」 
   命令(めいれい)を受(う)けた人びとは、つむを集(あつ)めて火をつけました。 
  「これでよし。つむがなければ、姫(ひめ)も、さされはしないだろう」 
   王さまも人びとも、ホッとしました。  
   お姫(ひめ)さまは、すくすくと大きくなって十五才になりました。 
   ある日のこと、お姫(ひめ)さまは、ひとりでお城(しろ)の中を歩いていました。 
   いくつもの階段(かいだん)をのぼって見つけたのは、小さな入り口です。 
  「まあ、こんなところに部屋(へや)が。ここにはなにが、あるのかしら?」 
   お姫(ひめ)さまは、もう三つ階段(かいだん)を上り、古ぼけたへやに、はいっていきました。 
   中にいたのは、おばあさんです。  
   おばあさんは、糸をつむぐ車を、ブンブンと回していました。  
  「まあ、おもしろそうだこと。おばあさん、ちょっとかしてくださいな」 
  「いいともいいとも、さあ、手をだしてごらん」 
   なんにも知らないお姫(ひめ)さまは、つむぎ車に手をのばしました。 
   とたんに、つむぎ車のつむが、お姫(ひめ)さまの手をさしてしまったのです。 
  「イッヒヒヒヒ。うまくいったよ」 
   おばあさんは笑い声(わらいごえ)を上げると、どこかへ消(き)えてしまいました。 
   じつは、十三人めの魔法使(まほうつか)いが、おばあさんに化(ば)けて、お姫(ひめ)さまを待(ま)っていたのです。 
   お姫(ひめ)さまは、バッタリとたれると、そのままねむってしまいました。 
   とたんに、お城(しろ)の時計が、ピタリと止まりました。 
   ネズミを追(お)いかけていたネコは、屋根(やね)の上で眠(ねむ)ってしまい、料理番(りょうりばん)は料理(りょうり)のとちゅうで眠(ねむ)りました。 
   いえ、それだけではありません。  
   なんと、空を飛(と)んでいるトリも、空に浮(う)いたままで、料理(りょうり)をあたためていた火も、ねむってしまったのです。 
   なにもかもが、ねむったお城(しろ)の回りで、イバラだけがのびました。 
   そして、長い年月がすぎた ある日、りっぱな王子さまがイバラのそばへ行きました。  
        
       すると、トゲだらけのイバラが、スルスルと動(うご)いて、王子さまを取り囲(とりかこ)みました。 
   王子さまは剣(つるぎ)をぬいて、おそいかかるイバラを切り落(きりお)としますが、いくら切り落(きりお)としてもきりがありません。 
   とうとうイバラに囲(かこ)まれた王子さまは、死(し)を覚悟(かくご)しました。 
   ところがそのとき、イバラはみるみるちぢんでいって、 お城(しろ)へ続(つづ)く道が現(あらわ)れたのです。 
   ちょうど今日が、百年目だったのです。 
   王子さまはお城(しろ)へ行くと、お姫(ひめ)さまが眠(ねむ)っている、へやに入りました。 
  「なんて、きれいなひとだろう」 
   お姫(ひめ)さまを見つけた王子さまは、思わずキスをしました。 
   すると、百年ねむりつづけていたお姫(ひめ)さまは目が、パッチリと開(ひら)いたのです。 
   いえ、お姫(ひめ)さまだむでなく、お城中(しろじゅう)、が眠(ねむ)りからさめました。 
   ネコはネズミを追(お)いかけはじめ、料理番(りょうりばん)はナベを火にかけました。 
   空を飛(と)んでいたトリも、また飛(と)び続(つづ)けました。 
   全(すべ)ての事(こと)を知った王さまは、城中(じょうじゅう)のみんなにいいました。 
  「みなの者(もの)、魔女(まじょ)ののろいはとけたぞ。さあ、結婚式(けっこんしき)の準備(じゅんび)をするのだ。おおいそぎでな」 
      おしまい         
         
         
        
       
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