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        2年生の世界昔話(せかいむかしばなし) 
          
          
         
人魚(にんぎょ)のしかえし 
デンマークの昔話(むかしばなし) → デンマークのせつめい 
      
       むかしむかし、北(きた)のつめたい海(うみ)に、一人のうつくしい人魚(にんぎょ)がすんでいました。 
   この人魚(にんぎょ)は、五頭(5とう)のウシを飼(か)っていて、とてもだいじにしていました。 
   人魚(にんぎょ)は毎日(まいにち)、ウシを近(ちか)くの島(しま)までつれていっては、おなかがいっぱいになるまで草を食(た)べさせてやりました。 
   ところでこの島(しま)には、ちょっといじわるな人間(にんげん)たちが、住(す)んでいました。 
   その人たちは、  
  (この島(しま)の草は、人魚(にんぎょ)の飼(か)っているウシになんか、食(く)わせてやりたくないな) 
  と、思(おも)っていましたから、ある時(とき)とうとう、人魚(にんぎょ)の飼(か)っているウシをとってしまいました。 
  「わたしのウシを、かえしてください!」 
   人魚(にんぎょ)はないて、人間(にんげん)たちにたのみました。 
  「いやだね。かえすもんか。でも、おまえがこしにまいている帯(おび)をくれたら、ウシをかえしてやる」 
  「だけど、この帯(おび)は人魚(にんぎょ)だけしか使(つか)うことができないんです。人間(にんげん)が持(も)っていても、少(すこ)しも役に立(やくにた)たない帯(おび)ですよ」 
  「うそをつくな! その帯(おび)には、宝石(ほうせき)がたくさん付(つ)いているじゃないか。その宝石(ほうせき)があったら、おれたちは大金持(おおがねも)ちになれる。さあ、ウシをかえしてやるから、帯(おび)をよこせ!」 
   人魚(にんぎょ)はウシをとてもかわいがっていましたから、帯(おび)を人間(にんげん)たちに渡(わた)して、ウシをかえしてもらいました。 
   でも、なんだかくやしくてたまりません。  
   そこで、島(しま)の海岸(かいがん)まできたところで、ウシに言(い)いました。 
  「さあ、砂(すな)をほって、いじわるな人間(にんげん)たちに、しかえしをしてやりなさい」 
   ウシたちは砂(すな)をツノでつついたり、足でけったりしはじめました。 
   砂(すな)が風(かぜ)でまいあがり、いじわるな人間(にんげん)たちの住(す)んでいる村の方(かた)へ飛(と)んでいきました。 
   そして、人間(にんげん)たちの家(いえ)を、うめてしまいました。 
   あわててにげだした、人間(にんげん)たちは、 
  「ふん! こっちには宝石(ほうせき)のいっぱいついた帯(おび)があるんだ。これがあれば、他(ほか)の村で大きな城(しろ)だってたてられるさ」 
  と、ニコニコ顔(かお)です。 
   でも、人魚(にんぎょ)からとりあげた帯(おび)をよく見ると、宝石(ほうせき)など1つもついていません。 
   いつまのにか帯(おび)は、ただのコンブにかわっていたのでした。 
      おしまい 
        
       
         
         
        
      
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