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イラスト　myi　　　ブログ　sorairoiro

いずみ の ほとり の シカ と ライオン

(イソップどうわ)

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　のど の かわいた シカ が、いずみ の ほとり へ やってきました。

　みず を のんだ あと、ふと みると、じぶん の かげ が みず に うつっています。

　おおきくて、いくつもの えだ に わかかれた つの は、われながら うっとり する ほど りっぱ です。

　シカ は、すっかり とくい に なりました。

　ところ が あし を みると、ヒョロヒョロ して たよりない かんじ なので、がっかり してしまいました。

「せっかく、これほど りっぱな つの を もっている のに、この あし では なさけない」

　シカ が みず に うつった じぶん の すがた を ながめて かんがえこんでいる ところ へ、とつぜん ライオン が あらわれました。

　シカ は、いそい で にげました。

　ライオン は おいかけました が、シカ は あし の はやい どうぶつ ですから、いくら つよい ライオン でも おいつけません。

　それどころか、シカ は ずんずん と ライオン を ひきはなして しまいました。

　のはら が つづいている あいだ は、シカ は ライオン の ずっとさき を にげていく こと が できました。

　そのうち に、シカ は もり に さしかかりました。

　すると、おおきな つの が き の えだ に ひっかかって、うまく はしれなくなりました。

　そうして、ぐずぐず している うち に、ライオン に おいつかれて つかまって しまいました。

　ライオン の えじき に なった シカ は、しぬまえ に こころ の なか で いいました。

「なさけない こと だ。わたし に にくまれていた あし が わたし を たすけてくれた のに、

　わたし が じまん していた つの の ため に、こうして しななければ ならないとは」



　この シカ と おなじ よう に あぶない め に あった とき、ふだん は あまり しんよう していなかった ともだち が わたしたち を たすけてくれ、

　はんたい に いつも しんじていた ともだち が わたしたち を みすてること が あるものです。

おしまい