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イラスト　たつよ　　　提供　らくがきの日常

どく の みずアメ

(いっきゅうさんのおはなし)

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　むかしむかし、いっきゅうさん と いう、とんち で ひょうばん の こぞうさん が いました。

　あるひ の こと。

　おしょうさん が、むらびと に みずアメ を もらいました。

　それ を ほしそうな め で みていた いっきゅうさん に、おしょうさん が こわい かお で いいました。

「いっきゅうよ。これはな、おとな が たべる と くすり じゃが、こども が たべる と たちまち しんでしまう と いう、おそろしい どく の みずアメ じゃ

　けっして たべては いかんぞ」

　すると いっきゅうさん は、ニッコリ わらって、

「はい、ぜったい に たべません」

と、いいました。

「そうか、そうか」

　おしょうさん は それ を きいて、あんしん して ようじ に でかけました。

　おしょうさん が いなくなった こと を しった いっきゅうさん は、

「えっへへへ。こども が たべる と どく だ なんて、よく いうよ。

　みずアメ を ひとりじめ しよう だ なんて、そう は いかないよ」

と、さっそく ほか の こぞうさん と みずアメ を わけあって、すべて たべて しまった の です。

「ああ、おいしかった」

「でも いっきゅう。こんな こと を して、おしょうさん に しかられないか？」

　しんぱい する ほか の こぞうさん に、いっきゅうさん は ニッコリ わらう と。

「だいじょうぶ、だいじょうぶ。いっきゅう に、よい かんがえ が あります。じつ は ですね・・・」



　さて、それから しばらく して、おしょうさん が ようじ を すませて かえってくる のが みえました。

　すると いっきゅうさん は おしょうさん の たいせつ に していた ちゃわん を もちだして、

　それ を にわ の いし に ガシャン！　と、ぶつけて わって しまいました。

　そして めもと を つば で ぬらす と、みんな で なきまね を しました。

「えーん、えーん」

　かえってきた おしょうさん は、みんな が ないている ので ビックリ。

「こりゃ、なに を ないて おるのじゃ？　いっきゅう、これ は どうした こと だ？」

　すると いっきゅうさん が、なきながら いいました。

「えーん、えーん。おしょうさん の・・・。おしょうさん の たいせつな ちゃわん を、わって しまいました。

　おわび に どく の みずアメ を なめて しのう と おもいました が、ぜんぶ なめて も しねません。えーん、えーん」

　それ を きいた おしょうさん は、あたま を ポリポリ かきながら、

「こりゃ、してやられたわ」

と、いい、それから は むらびと に もらった おかし は、みんな で わける こと に した の です。

おしまい