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    福娘童話集 > 絵本紙芝居(アニメかみしばい) ラプンツェル(4k HD) 第1章 
         
          ラプンツェル(4k HD) 第1章 
          アニメサイズ
        Max 2880×2160 
        
         
        イラスト 和穗かなた  運営サイト ここあ 
         
        ラプンツェル(4k HD) 第1章 
        グリム童話 → グリム童話の詳細 
         
        イラスト版 えほん版 
      
       むかしむかし、あるところに、子どものいない夫婦がいました。 
         夫婦は毎日、神さまにお願いします。 
        「神さま、どうかわたしたちに、子どもをおさずけください」 
         そんなある日、二人の願いが神さまに届いて、奥さんに赤ちゃんがやどったのです。 
        「神さま、ありがとうございました!」 
         奥さんのお腹の赤ちゃんはすくすくと育ち、あとは生まれるのを待つばかりです。 
         
       さて、この夫婦の家のとなりには、大きくてきれいな庭の家があります。 
         この家の持ち主は、ゴテルとよばれる魔女です。 
         村人たちは魔女がおそろしくて、誰一人この家に近寄ろうとはしませんでした。 
         その魔女が、奥さんのお腹に赤ちゃんがやどった事に気づいたのです。 
         魔女は庭に出ると、庭の畑で育てているレタスに魔法をかけました。 
        「レタスたちよ、あの身ごもった女を誘惑(ゆうわく)するのだ。あの女がお前たちを、どうしても食べたくなるようにね」 
         すると魔法をかけられたレタスは、あわい光りを放つようになりました。 
         
       ある日、お腹の大きくなった奥さんが、ふと、家の窓から魔女の庭をのぞきました。 
         魔女の家の庭には美しい花畑や野菜畑があり、その野菜畑に植えられたレタスを見た奥さんは、たちまちレタスに心をうばわれました。 
        「あのレタス、なんておいしそうなんでしょう」 
         奥さんはそのレタスが、とても食べたくなりました。 
         でも、そのレタスは魔女の物なので、勝手に食べたりしたらどんな事をされるかわかりません。 
        「だめよ。あれは魔女のレタスなのだから」 
         奥さんは自分に言い聞かせると、ぐっとがまんしました。 
         でも、レタスの魔法にかかってしまった奥さんには、もうレタス以外の食べ物は考えられませんでした。 
         奥さんはその日から食事をやめて、どんどんやせていきました。 
         それに気づいた夫が、奥さんにたずねます。 
        「お前、どうして何も食べないんだ? 
         この家には、パンでも肉でもたくさんあるのに。 
         何も食べないでは、お前にもお腹の赤ん坊にもよくないよ」 
         すると奥さんは、はずかしそうに答えました。 
        「ええ、実はレタスがどうしても食べたいの」 
        「なんだ、そんな事か。それなら、すぐに買ってきてやるよ」 
         夫はすぐに町へ行くと、奥さんのためにレタスを山のように買ってきました。 
         しかし奥さんは、そのレタスを食べようとはしません。 
        「ちがうの。あたしがどうしても食べたいレタスは、あのレタスなの」  
         奥さんはそう言って魔女の野菜畑にある、あわい光を放つレタスを指さしました。 
        「何だって! そんな事を言ったって、あのレタスは魔女の物だぞ」 
        「ええ、わかっているわ。でも、どうしてもあのレタスが食べたいの」 
        「しかし・・・」 
         このまま奥さんが何も食べなければ、奥さんもお腹にいる赤ちゃんも死んでしまいます。 
        「・・・わかった。何とかするよ」 
         夫は決心するとその日の夜、魔女の庭に忍び込みました。 
         
               魔女の庭に忍び込んだ夫は、魔女の野菜畑からあわい光を放つレタスの葉っぱを一枚盗み取ると、それを奥さんに食べさせました。 
         するとレタスを食べた奥さんの青白い顔に、ぽっと赤みがもどりました。 
        「ああっ、なんておいしいのかしら」 
         その日から夫は毎晩魔女の庭に忍び込むと、レタスの葉っぱを盗み取りました。 
         
       そんなある日、夫がレタスの葉っぱを盗み取っているのを、魔女に見つかってしまったのです。 
         魔女は恐ろしい目で、夫をにらみつけました。 
        「わたしの大切なレタスを盗んでいたのは、お前か! このまま、生きて帰れると思うな!」 
         すると夫は、魔女に手を合わせてあやまりました。 
        「お許しください! 
         実はわたしの妻が、魔女さまのレタスしか口にしないのです。 
         これを食べないと、妻もお腹の赤ん坊も死んでしまいます」 
         すると魔女が急に態度を変えて、にっこり笑いました。 
        「そうかい。 
         それは、大変だったね。 
         それならいくらでも好きなだけ、奥さんにレタスを食べさせてあげるといいよ」 
        「ほっ、ほんとうですか? ありがとうございます!」 
         魔女の言葉に、夫は大喜びです。 
         しかし魔女は、ニヤリと笑うとこんな事を言いました。 
        「ただし、お前の奥さんが無事に赤ん坊を産んだら、その子をわたしに差し出すんだ。 
         このわたしが本当の母親のようにかわいがって、その子を育ててやるよ」 
        「えっ?! 
         そっ、そんな事は。 
         子どもは、わたしたちの念願だったのです。 
         いくら何でも、レタスの代わりに子どもをやるわけには」 
        「そうかい。 
         なら、レタスはあげないよ。 
         お前の奥さんもお腹の赤ん坊も、そのまま飢え死にすればいい」 
        「そんな・・・」 
         魔女のレタスが手に入らなければ、奥さんとお腹の赤ちゃんは死んでしまいます。 
         夫は二人に死なれるよりも、せめて奥さんには生きて欲しいと思い、仕方なく魔女と約束しました。 
        「・・・わかりました。 
         このままでは、妻とお腹の赤ん坊は死んでしまいます。 
         生まれた子どもはあなたに差し上げますから、どうかレタスを分けてください」 
        「ああ、それがいいよ。 
         なあに、心配する事はない。 
         子どもはわたしが、ちゃんと育ててやるからね」 
         やがて夫婦に可愛い女の赤ちゃんが生まれましたが、 
         すぐに魔女がやってきて連れて帰りました。 
      おしまい 
           
          第2章に続く 
         
          
           
          
          
       
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