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3月30日のイソップ童話
  
  
  
ヘビとカニ
    ヘビとカニが同じ場所にくらしていました。
    カニはヘビに対して、いつもそっちょくでやさしくしていました。
    けれども、ヘビはいつもひねくれて、いじわるでした。
    カニはヘビをいましめて、
  「あなたも、もっと心をまっすぐにして、すなおになりなさい。わたしがあなたにしているように、やさしくなりなさい」
  といいましたが、ヘビはぜんぜんいうことを聞きません。
    しまいにカニはがまんできなくなって、ある日、ヘビがねむっているときに、のどをハサミでしめて、殺してしまいました。
    ながながとのびて死んでしまったヘビを見て、カニはいいました。
  「やれやれ、死んでからまっすぐのびたって、しかたがないでしょう。わたしが注意していたときにまっすぐになっていたら、死なないですんだのに」
  
    カニのやり方ももんだいですが、この話は、いっしょうけんめいつくしてくれる人にいじわるする人は、そのうち痛い目にあうことをおしえています。
おしまい