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4月12日のイソップ童話
  
  
  
ヘビのしっぽと胴体
    ある日、ヘビのしっぽがいいました。
  「わたしはいつもいちばん後からついていくけれど、たまにはせんとうになって歩きたいわ」
    頭や胴体はみんなはんたいしました。
  「きみはどうやって、ぼくらをひっぱっていくつもりなの。目も鼻もないのに」
    けれどもしっぽはいうことを聞きません。
    とうとう胴体たちは引き下がりました。
    しっぽは大とくいで、めくらめっぽうに胴体と頭をひきずって、めちゃくちゃにすすみました。
    そのうちに、とうとう、石ころだらけの穴に落ちて、全身傷だらけになりました。
    するとしっぽは、猫なで声であわれっぽく頭にたのみました。
  「お願いです、頭さん。助けて下さい。わたしがわるうございました」
  
    この話は、人にさからってできもしないことをしようとする、おろかな人をいましめています。
おしまい