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2月3日の小話
鬼は外
   今日は節分(せつぶん)です。
   近所の、あちらの家からも、こちらの家からも、
  「鬼(おに →詳細)は外、福は内」
  と、幸福をまねき入れるための、豆まきの声がきこえてきます。
   この家では、主人が外出したまま帰って来ませんので、おかみさんが、店のこぞうに豆をまかせることにしました。
   ところが、このこぞうは、きんちょうしてしまって、豆をつかんだまま、
  「鬼は・・・、鬼は・・・」
  と、いうだけで、なかなかあとの言葉が出てきません。
   さっきから、げんかん先で、ウロ、ウロしていた鬼たちは、すっかり待ちくたびれて、
「おいおい、早くあとの言葉をいってくれ。おれたちは、外に出るのか? それとも、家の中に入ってもいいのか?」
おしまい