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福娘童話集 >えとのおはなし >いぬのお話し > 字の読めぬ犬
いぬのお話し 第 9 話
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字の読めぬ犬
にほんご(日语) ・ちゅうごくご(中文) ・日语&中文
犬の大嫌いな男が、友だちに聞きました。
「なあ、犬がいても平気で通れる方法はないだろうか?」
「そいつは、簡単な事さ。
手の平にトラという字を書いておいて、犬がいたらそいつを見せるんだ。
すると犬は、おっかながって逃げるから」
「ふむふむ。そいつは、良い事を聞いた」
男はさっそく、手の平にトラという字を書いて出かけました。
しばらく行くと、向こうから大きな犬がやってきます。
(よし、さっそく試してやろう)
男は手の平を、犬の前に突き出しました。
すると犬は一瞬びっくりしたものの、大きな口を開けてその手をガブリと噛んだんです。
次の日、手を噛まれた男が友だちに文句を言いました。
「やい、お前の言う様に、手にトラという字を書いて犬に見せたが、ほれこの様に、食いつかれてしまったわ」
すると友だちは、こう言いました。
「やれやれ、それは不運な事だ。おそらくその犬は、字の読めぬ犬だろう」
おしまい
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