福娘童話集 > お話し きかせてね > きょうのイソップ童話
アリ
アリは、むかしは人間でした。
その人はお百姓(ひゃくしょう)でしたが、
自分の畑で出来る物だけでは満足しないで、
隣近所のお百姓の畑の作物をうらやましがって、しょっちゅう盗んでいました。
ゼウスの神は、
「こんな欲張り人間は、許せない!」
と、怒って、この人をわたしたちがアリと呼ぶ生き物に変えてしまったのです。
けれどもこの人は、アリに姿が変わっても、性格は変わりませんでした。
その証拠に、いつでもあちらこちらの畑を歩き回って、よその人のオオムギやコムギを拾っては、自分の為に貯め込んでいます。
生まれつき悪い人は、どんなにひどく罰せられても、その性質が変わる事はないという事を、このお話しは示しています。
おしまい
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