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2008年 4月19日の新作昔話
フクロウと鳥たち
イソップ童話 → イソップ童話とは?
物知りのフクロウはドングリが芽生えると、これが大きくなる前に全部地面から引き抜くようにと、鳥たちに忠告しました。
なぜなら、ドングリが成長するとやがてヤドリギを寄生させて、そのヤドリギからは災厄をもたらすトリモチが抽出されて、それで皆捕まえられてしまうと言うのです。
次にフクロウは、人間がまいた麻の種は鳥たちに災いをもたらす植物なので、取り除くようにと忠告しました。
そして最後に弓矢を持った猟師がやって来るのを見て、この人間は歩いているが、彼は我々よりも速く飛ぶことのできる武器で攻撃してくるだろうと予言しました。
ところが鳥たちはフクロウの予言を信用せず、それどころか彼女のことを弱虫だとバカにしたのです。
しかしその後、鳥たちは彼女の言葉が正しかったことを思い知りました。
それからは彼女が現れると、鳥たちは彼女の知恵にあやかろうと集まってくるのですが、
「もっと早くにそうしていれば、多くの仲間を失わずにすんだのに。いまから忠告を聞こうなんて、むしがよすぎます」
と、彼女はもはや忠告を与えようとはしませんでした。
人の忠告と言うものは、その人が忠告してくれている間に耳を傾けなければいけません。
後から忠告を聞いても、失った物は戻ってはこないのです。
おしまい
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