福娘童話集 > 新作の紹介 福娘童話集 きょうの新作昔話 童話・昔話・おとぎ話の福娘童話集
     7月12日の豆知識

366日への旅
きょうの記念日
豆腐の日
きょうの誕生花
ぜにあおい
きょうの誕生日・出来事
1939年 中村玉緒(俳優)
  7月12日の童話・昔話

福娘童話集
きょうの日本昔話
カッパの雨ごい
きょうの世界昔話
銀の鼻
きょうの日本民話
オニギリ地蔵
きょうのイソップ童話
カラスとヘビ
きょうの江戸小話
オオカミのぬかよろこび
広告
 


福娘童話集 > きょうの新作昔話 > しかばねをねらう娘

2008年 7月12日の新作昔話

しかばねをねらう娘

しかばねをねらう娘

 むかしむかし、ある山のふもとに、お寺がありました。
 ある雨のふる晩のこと、このお寺の戸をたたくものがありました。
「だれじゃ、いまごろ」
 和尚さんがしぶしぶ起き出していくと、そこにはきれいな娘がたっていました。
「はて、どんなご用かな?」
「はい、この間、こちらでとむらっていただいた人のしかばねをひきとらせてください。家で、とむらいなおしたいのです」
 娘はしずかな口ぶりでいいましたが、目がらんらんとしていて、体からは動物のにおいがします。
 和尚さんは、この娘を化け物にちがいないと思いました。
 そこで、
「いいや、ことわる。すぐに立ち去るがよい」
と、いったところ、娘はとたんにおそろしい顔で、
「おぼえていろ! 近いうちに、必ず仕返しをしてやる!」
 そういったかとおもうと、ふっといなくなりました。
 それからしばらくたったある日、村にお葬式がありました。
 和尚さんがお経をあげにいくと、その家のかげに、髪の長いきれいな娘がいて、こちらをじっと見つめています。
(あやつは、この間の化け物だな。きょうの葬式のしかばねを、お墓に運ぶ途中でうばうつもりだな)
 和尚さんはお葬式がおわると、お墓へいく人たちに、棺桶(かんおけ)をしっかりとかつがせました。
 お葬式の人たちがお墓へむかうと急に天気があやしくなって、かみなりがとどろきはじめました。
 まっくらな空からは、大つぶの雨がふってきます。
(あの化け物の仕業にちがいない。ちと、こらしめてやるか)
 和尚さんは、懸命にお経をとなえると、
「かぁぁーーっ!」
 気合いとともに、つえをふりあげました。
 すると空から何かが、どさっと落ちてきました。
「なんだ、なんだ」
 人々がかけよってみると、それは年をとった大オオカミで死体だったそうです。

おしまい

ページを戻る

新作の紹介メニュー

福娘童話集

新作の紹介
福娘のサイト
366日への旅
毎日の記念日・誕生花 ・有名人の誕生日と性格判断
福娘童話集
世界と日本の童話と昔話
女の子応援サイト さくら
職業紹介・誕生日占い・おまじないなど
子どもの病気相談所
病気検索と対応方法、症状から検索するWEB問診
世界60秒巡り
国旗国歌や世界遺産など、世界の国々の豆知識