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2016年 8月22日の新作昔話
カッコウ鳥になった継母
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昔々、あるとこ ろに夫婦と幼い娘がいました。
三人は貧しいながらも幸せに暮らしていましたが、ある日母親が病気になり、やがて死んでしまいました。
父親は娘をかわいそう に思い新しい母親を迎えました。
ところが、新しい母親はとても意地悪な人で、いつも娘をいじめていました。
父親はそれを心配し、とうとう前の母親の後を追 うように病死してしまいました。
五月のある晴れた日、継母は山の畑へ麦刈りに行きました。
その時、継娘にお昼時には弁当を持ってくるように言っておきました。
ちょうどお昼時になったので、継娘は弁当を背負って山へ行きました。
「お母さん、どこなの?」と呼びましたが返事がありません。
継娘はもう一度「お母さん、どこなの?」と呼びました。
継母は、継娘をいじめてやろうと思って、畑の一番上から返事をしました。
「ここだ、ここだぞー!」
継娘は、ほっとして、上の畑へ上っていきましたが、継母の姿が見えません。
「お母さん、どこなの?」と継娘が呼んだら、ずっと下の畑あたりから「ここだ、ここだぞー!何をぐずぐずしている!!」という声がしました。
継娘は急いで駆け下りました。
が、下に着いてみると、今度は一番上の畑のあたりから「何をぐずぐずしている!ここだ、ここだぞー!!」と、継母の声がしました。
何回も何回も、重い弁当を背負って登ったり下ったりしているうちに、体の弱い継娘は、とうとう倒れて死んでしまいました。
「ひひひ、継娘が死んだか。」 と、継母が笑ったその時です。
突然雷が継母の上に落ちたかと思うと、継母は一羽のカッコウ鳥になってしまいました。
そしてカッコウ鳥になったまま母の前 に、神様が現れました。
神様は「おまえがカッコウ鳥となったのは、継娘をいじめた罰じゃ。罪滅ぼしのために鳴くがよい。」とおっしゃいました。
こうしてカッコウ鳥となった継母は「カッコウ、カッコウ。」と、口がさけて血が出るまで、一日に八千八声鳴き続けなければならなくなってしまいました。
もし、それだけ鳴かないと、口から蛆がわいてくるのだそうです。
おしまい
お話の投稿者 山本寛子
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