福娘童話集 > 新作の紹介 福娘童話集 きょうの新作昔話 童話・昔話・おとぎ話の福娘童話集
 

福娘童話集 > きょうの新作昔話 >イモ掘り藤五郎(炭焼き長者)

2021年5月17日の新作昔話

イモほり藤五郎

イモ掘り藤五郎(炭焼き長者)
石川県の民話石川県情報

ささらと昔話講座 第18話【炭焼き長者】

読者の「NS.MOOOON」さんの投稿作品。

知っているようで知らない日本昔話を、あれやこれやとささらちゃんが学んでいく動画です。

♪音声配信(html5)
朗読者 : スタヂオせんむ

 むかしむかし、加賀山科(かがやましな)の里に、山イモを掘って生活している藤五郎(とうごろう)という若者がいました。
 藤五郎はとても気の良い男で、余った山イモは村人たちにただで配っていました。

 ある日の事、そんな藤五郎の家に、都からとても美しいお姫さまがやって来ました。
 そして何と、
「藤五郎さま、わたくしをあなたのお嫁さんにしてください」
と、頼んだのです。
 びっくりした藤五郎は、お姫さまに言いました。
「それはうれしいが、せっかく嫁に来てもらっても、家は貧乏で二人が食べる分のお米もない」
 するとお姫さまは、
「心配いりません。これがあれば、お米だってお魚だって何でも買えますよ」
と、砂金(さきん)の入った錦(にしき)の袋を藤五郎に渡したのです。
「はあ、こんな物でねえ」
 藤五郎は砂金の価値もわからないまま、山をおりて買い物に出かけました。
 そして藤五郎は山を下りる途中で、二羽の鳥を見つけました。
「うまそうな鳥だな。あのお姫さまに、食べさせてやろう」
 藤五郎はそう思い、お姫さまにもらった砂金の袋を鳥めがけて投げつけました。
 ところが砂金の袋は口が開いてバラバラになり、鳥も逃げてしまいました。

 手ぶらで帰ってきた藤五郎に、砂金を無くした事を聞いたお姫さまはがっかりです。
「まあ、あなたという人は、何という事をしたのでしょう」
 そんなお姫さまに、藤五郎は言いました。
「そいつは悪い事をしたな。だけどもこんな物、山イモを掘ればいくらでもツルについているがな」
 藤五郎はお姫さまを山に連れて行くと、山イモを掘ってみせました。
 すると本当に、山イモのツルがピカピカに輝いています。
「まあ、なんてことでしょう」
 お姫さまが山イモを沢(さわ)で洗ってみると、たくさんの砂金がとれました。
 それから藤五郎は、イモ掘り長者と呼ばれるお金持ちになりました。
 そして村人たちは山イモを洗った沢を『金洗沢(かねあらいさわ)』と呼び、いつの頃からか『金沢(かなざわ)』と呼ぶようになったのです。

おしまい

→ よく似たお話 炭焼き長者

前のページへ戻る

新作の紹介メニュー

福娘童話集

新作の紹介
福娘のサイト
366日への旅
毎日の記念日・誕生花 ・有名人の誕生日と性格判断
福娘童話集
世界と日本の童話と昔話
女の子応援サイト さくら
職業紹介・誕生日占い・おまじないなど
子どもの病気相談所
病気検索と対応方法、症状から検索するWEB問診
世界60秒巡り
国旗国歌や世界遺産など、世界の国々の豆知識