福娘童話集 > 新作の紹介 福娘童話集 きょうの新作昔話 童話・昔話・おとぎ話の福娘童話集
 

福娘童話集 > きょうの新作昔話 >うわばみ退治

2023年5月29日の新作昔話

うわばみ退治
投稿者 「カボスひろし」  大分県産カボスひろしTV

うわばみ退治
吉四六(きっちょむ)さん → 吉四六さんについて

※本作品は、読者からの投稿作品です。 投稿希望は、メールをお送りください。→連絡先

投稿者 「カボスひろし」  大分県産カボスひろしTV

♪音声配信(html5)
音声 ヤマネコギン

 むかしむかし、吉四六さんと言う、とてもゆかいな人がいました。

うわばみ退治

 ある日の事、吉四六さんは畑でとれた小麦(こむぎ)を村はずれの水車(すいしゃ)小屋に持って行って、粉にしてもらいました。

うわばみ退治

「これで、うまいうどんでも作って食べよう」

うわばみ退治

 ごきげんで家に帰ろうとすると、突然うわばみ(→大蛇)が現れたのです。

うわばみ退治

 うわばみは大きな口を開けて、吉四六さんを飲み込むつもりです。

うわばみ退治

「うへぇっ!」

うわばみ退治

 いかに吉四六さんがとんちの名人でも、うわばみにとんちは通じません。

うわばみ退治

 吉四六さんが慌てて逃げ出すと、うわばみも追いかけて来ました。

うわばみ退治

 さいわい松の木があったので、吉四六さんは松の木によじ登りましたが、うわばみはなおもしっこく追いかけて来て、大きな口をアングリと開けました。

うわばみ退治

「こりゃあ、もう駄目だ。なむあみだぶつ」

うわばみ退治

 その時です。

うわばみ退治

 ガタガタと震えていた吉四六さんのふところから、大事にしまっていた粉の包みが落ちてしまい、それがうわばみの口にすっぽりと入りました。

うわばみ退治

 びっくりしたうわばみは、自慢のキバで粉の包みを噛み破ったからたまりません。
 ゴホッ、ゴホホホゴホ。
 ハックショーン、ゴホゴホ、ハックショーン。

うわばみ退治

 うわばみは、せきとくしゃみをしているうちに粉を喉に詰まらせて、バッタリと死んでしまったのです。

 さて、この事が村人に知れ渡ると、村人たちは大いに吉四六さんを褒め称えました。

うわばみ退治

「粉の包み一つでうわばみを退治するとは、さすがは吉四六さんじゃ」
「よくぞ、あの厄介者のうわばみを退治してくれた」
 でも、吉四六さんはあまりうれそうではありません。

うわばみ退治

 (まったく、今回はただ逃げていただけで、とんちを使うひまもなかった。・・・おもしろくねえ)
 吉四六さんは、そんな人です。 

おしまい

前のページへ戻る

新作の紹介メニュー

福娘童話集

新作の紹介
福娘のサイト
366日への旅
毎日の記念日・誕生花 ・有名人の誕生日と性格判断
福娘童話集
世界と日本の童話と昔話
女の子応援サイト さくら
職業紹介・誕生日占い・おまじないなど
子どもの病気相談所
病気検索と対応方法、症状から検索するWEB問診
世界60秒巡り
国旗国歌や世界遺産など、世界の国々の豆知識