福娘童話集 > きょうの新作昔話 >クリスマスの鐘
2025年9月15日の新作昔話
※本作品は、読者からの投稿作品です。 投稿希望は、メールをお送りください。→連絡先
制作 「世界名作福袋」
朗読:ひろみ(劇団SHOWA)&ポポコ(劇団ひの)
地の文:ひろみ→ポポコ→ひろみ→ポポコ
ペドロ:ひろみ/マルコ:ポポコ
絵:小亀たく
アニメサイズ
Max 2560×1440 字幕「日本語」「英語」
クリスマスの鐘のイラストについて
※本作品は、読者からの投稿作品です。 投稿希望は、メールをお送りください。→連絡先
投稿者 「久瑠璃桜華」 久瑠璃桜華
※動画のイラストは、福娘童話集が使用許可を出しています。
※本作品は、読者からの投稿作品です。 投稿希望は、メールをお送りください。→連絡先
投稿者 「【Vtuber】はるさきみるくチャンネル」 【Vtuber】はるさきみるくチャンネル
※本作品は、読者からの投稿作品です。 投稿希望は、メールをお送りください。→連絡先
投稿者 「にっぽんいち一生懸命な昔ばなし」 にっぽんいち一生懸命な昔ばなし
※本作品は、読者からの投稿作品です。 投稿希望は、メールをお送りください。→連絡先
投稿者 「ひつじも眠る朗読チャンネル」 【眠くなる女性の声で読み聞かせ】優しい世界の昔話集(睡眠朗読)
※本作品は、読者からの投稿作品です。 投稿希望は、メールをお送りください。→連絡先
投稿者 「葉月優蘭」 葉月優蘭
※ この動画のイラストは、福娘童話集が使用許可を出しています。
※本作品は、読者からの投稿作品です。 投稿希望は、メールをお送りください。→連絡先
投稿者 「ねこねこミュージック」 ねこねこミュージック
※ この動画のイラストは、福娘童話集が使用許可を出しています。
♪ピアノと朗読のデュオ♪クリスマスの鐘 音楽朗読劇「クリスマスの鐘」 ピアノと朗読のデュオ: ピアノにあわせて朗読してみよう! 選べる3つの楽譜集
楽譜はこちら(紙版は2023.12月中頃から販売) → https://amzn.asia/d/1nHkasi
※本作品は、読者からの投稿作品です。 投稿希望は、メールをお送りください。→連絡先
投稿者 ナレーター熊崎友香のぐっすりおやすみ朗読
※本作品は、読者からの投稿作品です。 投稿希望は、メールをお送りください。→連絡先
投稿者 「天乃悠の朗読アート」 天乃悠の朗読アート
アメリカの昔話 → アメリカのせつめい
・日本語(Japanese) ・英語(English) ・日本語(Japanese)&英語(English)
イラストをクリックすると、大イラスト(1920×1080)を表示
制作 「世界名作福袋」
朗読:ひろみ(劇団SHOWA)&ポポコ(劇団ひの)
地の文:ひろみ→ポポコ→ひろみ→ポポコ
ペドロ:ひろみ/マルコ:ポポコ
絵:小亀たく
むかしむかし、アメリカのある町に、大きな教会がありました。
教会には天にそびえる高い塔があって、立派な鐘(かね)がつるされています。
その鐘には『クリスマスの夜にだけ鳴る』という、不思議な言い伝えがありました。
ところがまだ一度も、この鐘が鳴る音を聞いた人はありませんでした。
クリスマスが近づくと、町の人たちは塔を見上げて話し合います。
「今年こそは、あの鐘の鳴る音が聞けるかなあ?」
「わしは八十年も生きているが、まだ一度も聞いたことがない。
なんでも、わしのじいさんが子どもの頃に聞いたそうだが、それは素晴らしい音色だったそうだ」
「どうすれば、あの鐘はなるのだろう?」
「神さまに贈り物をすれば、鳴るという話だよ」
さて、この町のはずれの小さな村に、ペドロという男の子と弟がいました。
ある日、ペドロは弟に言いました。
「クリスマスの教会って、とってもにぎやかなんだってさ」
すると弟は、目を輝かせてせがみました。
「わあ、ぼく、行ってみたいなあ」
「よし、連れて行ってあげるよ」
ペドロは、弟と約束しました。
そして、待ちに待ったクリスマスの前の夜。
ペドロと弟はしっかりと手をつなぐと、町へ向かいました。
町の入り口まで行った時、二人は女の人が倒れているのを見つけました。
「どうしたのかな? この人、動かないよ。お兄ちゃん、どうしよう?」
「このままほうっておいたら、こごえ死んでしまう。困ったなあ?」
あたりには、誰もいません。
ペドロはポケットから銀貨を取り出すと、弟に差し出しました。
「この銀貨は、神さまへの贈り物だよ。ぼくはこの人を助けるから、一人で行っておいで」
「えっ、ぼく、一人で行くの? お兄ちゃんだって、あんなに行きたがっていたじゃないか」
「いいんだ。さあ、行っておいで」
弟は仕方なく、一人で町の中へ入っていきました。
教会の中は、たくさんの人でにぎわっていました。
どの人も神さまへの立派な贈り物を、得意そうに持っています。
キラキラと、まぶしく光る宝石。
山のような、金貨。
立派な、銀食器。
誰もが素晴らしい贈り物をして、鐘を鳴らそうと考えていました。
けれど、鐘は鳴りません。
「今年こそ、鐘を鳴らしてみせるぞ!」
最後に王さまも、命の次に大切にしている金の冠(かんむり)をささげました。
(さすがに、これで鐘が鳴るだろう)
みんなはジッと、耳をかたむけました。
でも高い塔の上は、シーンと静まり返ったままです。
「ああ、なんと、王さまの金の冠でもだめなのか」
「きっとあの鐘は、永久(えいきゅう)に鳴らない鐘なんだ」
「そうだ。そうに違いない」
人々があきらめて帰りかけた、その時です。
♪カローン、コローン、カローン、コローン・・・・・・。
突然、塔から美しい鐘の音が響いてきたではありませんか。
「あっ! 鳴った。とうとう鳴ったぞ!」
「なんて、美しい音色なんだ」
「それにしても、鐘を鳴らすほどの贈り物をしたのは、いったい誰だろう?」
王さまをはじめ、人々はいっせいに振り返りました。
するとそこにはペドロの弟が、はずかしそうに立っていました。
「ぼく、お兄ちゃんから預かった銀貨を一枚、神さまにささげただけだよ」
弟は、そう言ったあと、
(お兄ちゃんの助けてあげたあの女の人は、きっと大丈夫だろうな)
と、思いました。
素晴らしい贈り物というのは、高価(こうか)だからよいのではありません。
大した物ではなくても、贈る人の心がこもっていればよいのです。
メリークリスマス
おしまい
福娘童話集オリジナルイラスト イラストをクリックすると、大イラスト(2560×2560)を表示
イラスト01 イラストをクリックすると、大イラスト(2560×2560)を表示
むかしむかし、アメリカのある町に、大きな教会がありました。
イラスト02 イラストをクリックすると、大イラスト(2560×2560)を表示
教会には天にそびえる高い塔があって、立派な鐘(かね)がつるされています。
イラスト12 イラストをクリックすると、大イラスト(2560×2560)を表示
その鐘には『クリスマスの夜にだけ鳴る』という、不思議な言い伝えがありました。
ところがまだ一度も、この鐘が鳴る音を聞いた人はありませんでした。
クリスマスが近づくと、町の人たちは塔を見上げて話し合います。
「今年こそは、あの鐘の鳴る音が聞けるかなあ?」
イラスト03 イラストをクリックすると、大イラスト(2560×2560)を表示
「わしは八十年も生きているが、まだ一度も聞いたことがない。
なんでも、わしのじいさんが子どもの頃に聞いたそうだが、それは素晴らしい音色だったそうだ」
「どうすれば、あの鐘はなるのだろう?」
「神さまに贈り物をすれば、鳴るという話だよ」
イラスト04 イラストをクリックすると、大イラスト(2560×2560)を表示
さて、この町のはずれの小さな村に、ペドロという男の子と弟がいました。
ある日、ペドロは弟に言いました。
「クリスマスの教会って、とってもにぎやかなんだってさ」
すると弟は、目を輝かせてせがみました。
イラスト05 イラストをクリックすると、大イラスト(2560×2560)を表示
「わあ、ぼく、行ってみたいなあ」
「よし、連れて行ってあげるよ」
ペドロは、弟と約束しました。
そして、待ちに待ったクリスマスの前の夜。
イラスト06 イラストをクリックすると、大イラスト(2560×2560)を表示
ペドロと弟はしっかりと手をつなぐと、町へ向かいました。
町の入り口まで行った時、二人は女の人が倒れているのを見つけました。
イラスト07 イラストをクリックすると、大イラスト(2560×2560)を表示
「どうしたのかな? この人、動かないよ。お兄ちゃん、どうしよう?」
「このままほうっておいたら、こごえ死んでしまう。困ったなあ?」
あたりには、誰もいません。
ペドロはポケットから銀貨を取り出すと、弟に差し出しました。
イラスト08 イラストをクリックすると、大イラスト(2560×2560)を表示
「この銀貨は、神さまへの贈り物だよ。ぼくはこの人を助けるから、一人で行っておいで」
「えっ、ぼく、一人で行くの? お兄ちゃんだって、あんなに行きたがっていたじゃないか」
「いいんだ。さあ、行っておいで」
弟は仕方なく、一人で町の中へ入っていきました。
教会の中は、たくさんの人でにぎわっていました。
イラスト09 イラストをクリックすると、大イラスト(2560×2560)を表示
どの人も神さまへの立派な贈り物を、得意そうに持っています。
キラキラと、まぶしく光る宝石。
山のような、金貨。
立派な、銀食器。
誰もが素晴らしい贈り物をして、鐘を鳴らそうと考えていました。
けれど、鐘は鳴りません。
「今年こそ、鐘を鳴らしてみせるぞ!」
イラスト10 イラストをクリックすると、大イラスト(2560×2560)を表示
最後に王さまも、命の次に大切にしている金の冠(かんむり)をささげました。
(さすがに、これで鐘が鳴るだろう)
みんなはジッと、耳をかたむけました。
でも高い塔の上は、シーンと静まり返ったままです。
イラスト11 イラストをクリックすると、大イラスト(2560×2560)を表示
「ああ、なんと、王さまの金の冠でもだめなのか」
「きっとあの鐘は、永久(えいきゅう)に鳴らない鐘なんだ」
「そうだ。そうに違いない」
人々があきらめて帰りかけた、その時です。
イラスト12 イラストをクリックすると、大イラスト(2560×2560)を表示
♪カローン、コローン、カローン、コローン・・・・・・。
突然、塔から美しい鐘の音が響いてきたではありませんか。
「あっ! 鳴った。とうとう鳴ったぞ!」
「なんて、美しい音色なんだ」
「それにしても、鐘を鳴らすほどの贈り物をしたのは、いったい誰だろう?」
王さまをはじめ、人々はいっせいに振り返りました。
イラスト13 イラストをクリックすると、大イラスト(2560×2560)を表示
するとそこにはペドロの弟が、はずかしそうに立っていました。
「ぼく、お兄ちゃんから預かった銀貨を一枚、神さまにささげただけだよ」
弟は、そう言ったあと、
(お兄ちゃんの助けてあげたあの女の人は、きっと大丈夫だろうな)
と、思いました。
素晴らしい贈り物というのは、高価(こうか)だからよいのではありません。
大した物ではなくても、贈る人の心がこもっていればよいのです。
イラスト14 イラストをクリックすると、大イラスト(2560×2560)を表示
メリークリスマス
おしまい
おまけイラスト イラストをクリックすると、大イラスト(2560×2560)を表示
関連する記念日紹介
「12月24日 クリスマスイブ」について (366日への旅)より
記念日イメージキャラ 福ちゃん イラスト「ぺんた」 ※無断転載禁止
|