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百物語 第126話

あかんべえおばけ

あかんべえおばけ

 むかしむかし、化け物屋敷があるときいた、気のつよいびんぼうざむらいがいました。
「よし、おれが化け物を退治してやる!」
 あれほうだいの屋敷に入りこんで、化け物があらわれるのをまっていますと、草木もねむるうし三つどき(午前二時ごろ)。
 どこからともなく、おじいさんがあらわれました。
 おそろしくも、なんともありません。
「つまらん化け物だ。ひっこめ!」
 さむらいがそういうと、
「いいえ、わたしは化け物ではありません。もと、この家のあるじでございます。わたしが商売をやっておりましたころは、店もはんじょうしておりましたが、 あとつぎのせがれめが店をつぶして、ごらんのありさま。なさけないかぎりです。そこで、あなたさまにねがいがございます」
「なんなりと、いうてみい」
「ほら、向こうに池がありましょう。あの池のわきの大きな石の下に、わたしがたくわえておいた小判が五万両(約七千五百万円)ほどかくしてございます」
「えっ、五万両! それは大金だな」
「ねがいというのは、ほかでもございません。その小判をもとでに、この家をもういちど、もりたてていただきたいのです」
 おじいさんは、そういって、スーッと消えていきました。
「うむ、悪いはなしではないな。五万両を手に入れ、この家の大だんなにおさまるか」
 夜があけると、さむらいは石の下をほり始めました。
「よしよし、おれにも、いよいよ、よい運がまわってきたぞ」
 ドンドンほっていくと、ふるめかしい箱が出てきました。
「しめたっ。これだ」
 さむらいがよろこんで箱のふたを取ると、中から大きなおばけが出てきて、
「アカンベエー!」
と、まっかな舌をペロリンと、出したそうです。

おしまい

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