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百物語 第202話

タコとしゃれこうべ

タコとしゃれこうべ
千葉県の民話千葉県情報

 むかしむかし、ある漁師町(りょうしまち)に、代々漁師をしている庄五郎(しょうごろう)という男がいました。
 この日は先代の命日(めいにち)でしたが、まずしいくらしをしているので、一日も漁を休む事ができません。
 庄五郎は弟や仲間たちと、沖へ舟をだして魚をとっていました。
 今日は、ひさしぶりの大漁です。
 庄五郎の弟たちがのっている舟がアミをひきあげていると、一匹の大きなタコが、なんと人間のしゃれこうべ(→ドクロ)を頭の上にのせながら現れました。
 漁師たちはビックリして、だれもタコに手をのばす者はいません。
「おーい。どうした? なにがあったんじゃ?」
 向こうの舟でアミをひきあげていた庄五郎が、声をかけてきました。
 そのときです。
 庄五郎たちがひきあげているアミの中にも、しゃれこうべを頭にのせたタコがかかってきたのです。
「なんということじゃ。海の中から、二つもしゃれこうべがでてくるとは」
と、一人の漁師がいうと、庄五郎が、
「今日は親父の命日じゃ。これは、なにか因縁(いんねん)があるかもしれんぞ」
 そういって、水あかでよごれているしゃれこうべとタコをアミからとりあげました。
 タコはほかの魚と一緒に、すぐに売ってしまいました。
 二つのしゃれこうべは、庄五郎の父親がほうむられているお寺へ持っていって手厚く供養(くよう)してもらいました。
「それにしても、しゃれこうべをのせていたタコを売らずに海に逃がしてやれば、父親のいい供養になったものを。それにしても、どうしてタコがされこうべをのせて現れたんじゃ?」
 町の人たちは、そううわさをしました。
 タコを売ってしまった庄五郎に、その後たたりのようなことはおこりませんでしたが、しゃれこうべがあがった漁場は、その後まったく魚がとれなくなったという事です。

おしまい

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