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ふくむすめどうわしゅう(福娘童話集) >にほんむかしばなし(日本民间故事) >四月
4月30日の日本の昔話
泥棒を治す、赤ひげ先生
红胡子医生
翻訳者 広東省恵州学院 凌一翔
にほんご(日语) ・ちゅうごくご(中文) ・日语&中文
むかしむかし、江戸の小石川(こいしかわ→東京都文京区)に小石川診療所というのがあって、赤ひげ先生という有名な名医がいました。
很久很久以前,在江户的小石川有一间小石川诊疗所里,有一个被叫做红胡子医生的名医。
この赤ひげ先生はとても優しい人で、貧乏な人からはお金を受け取らず、また、他の医者が嫌がる様な病気の人でもこころよく診てくれるのです。
这个红胡子医生是一个非常温和的人,他从不收贫苦人家的看病钱,而且,即使是被其他医生所不愿待见的病人们,他也一样乐意为他们诊疗。
ですから多くの人が、
因此,就有很多人说:
「赤ひげ先生は、神さまみたいな先生だ」
“红胡子医生是像菩萨一样的医生。”
「赤ひげ先生こそ、まことの医者だ」
“像红胡子医生这样的,才是真正的医生啊。”
と、赤ひげ先生を頼って来たのです。
于是,都纷纷来向红胡子医生投医。
ある晩の事、そんな赤ひげ先生の所へ、一人のおばあさんが杖をついてやって来ました。
有一天晚上,红胡子先生的诊所里,来了一位拄着拐杖的老奶奶。
「先生、実はわしの息子に、とんでもない悪い癖がありまして、ほとほと弱っとります。
“医生,实际上我的儿子有很不像话的恶习,非常困扰。
ひとつ先生のお力で、息子の悪い癖を治して下さい。
就想稍稍借助医生您的力量,治疗好我儿子的恶习。
どうか、よく効く薬を作って下さい」
请给我有效的药方吧”
「ん、その癖とは、どんな癖ですか?」
“呃,那个恶习,是怎样的一个恶习?”
「それが、お恥しい話ですが、息子には泥棒の癖がありましてな。
“那就是,真是让人感到羞耻的事情…..我儿子其实有偷东西的恶习。
そのうち、お役人さまに捕まって大変な目に会うのではないかと思うと、この先、安心して死ぬ事も出来ません。
我担心他在不久后会遭到官差的追捕,在那之前,我还不能死得安心呀。
先生、
どうか泥棒の治る良い薬をお願いします」
医生,真心请求您开出治疗偷东西恶习的良药。”
「泥棒か、・・・確かにそれは、困った癖だな」
“偷东西吗……那确实是让人困扰的恶习啊。”
さすがの赤ひげ先生も、泥棒を治す薬は持っていません。
但是即使是红胡子医生,也没有治疗偷东西的药方啊。
(さて、どうしたものか)
(那么,该怎么办呢?)
赤ひげ先生は、自慢のあごひげをなでながら考えていましたが、やがて、
红胡子医生一边捋着他的胡子一边思考,过了一会,
「おお、そうだ。よし、そこでしばらく待っていなさい」
“哦,原来如此。好的,请您在那稍等一会。”
と、すぐに薬研(やげん→薬草などをすりつぶして、粉薬を作る道具)で何やら粉薬をつくって、紙に包んで持って来ました。
于是,马上在药碾子里磨一些不知道是什么的药粉,用纸包好以后拿着走过来。
「おばあさん。
“老奶奶。
息子が泥棒に入りたくなったら、すぐにこの薬を飲ませなさい。
您儿子想要去偷东西的话,马上让他喝下这个药。
きっと、泥棒が出来なくなるはずだ。
就必定不会去偷东西了。
それを何度か繰り返せば、そのうちに泥棒癖も治るだろう」
这样不断反复,过不久偷东西的恶习就可以治愈了。”
「ありがたや、ありがたや」
“谢谢,谢谢。”
おばあさんは赤ひげ先生に何度も頭を下げると、喜んで帰って行きました。
老奶奶向红胡子医生反复地鞠躬,开开心心地回家去了。
さて、この出来事を奥から見ていた赤ひげ先生の弟子たちは、感心した様子で尋ねました。
就那样,从屋里目睹这件事的红胡子医生的弟子们都非常钦佩地询问。
「薬で、泥棒の癖まで治せるとは知りませんでした。
“至今都不知道有治疗偷东西恶习的药呀。
それで一体、どんな薬を処方されたのですか?」
那到底是什么样的药方呢?”
すると、赤ひげ先生は、
于是乎,红胡子医生便说,
「ん、お前たちも良く知っている薬だぞ。
“呃,是你们大家也非常了解的药哟。
薬というものは患者の症状に合わせて、医者がそれに見合った薬を選ぶのじゃ。
药这个东西,就是综合患者的症状,由医生选取匹配的。
お前も医者になったつもりで、わしがどんな薬を出したか考えてみなさい」
と、言いました。
你们大家都是打算成为医生的人,都想想我出的药方是什么吧。”
弟子たちは頭をひねって考えましたが、泥棒を治す薬なんて見当もつきません。
弟子们冥思苦想,对于治疗偷东西恶习的药方始终没有头绪。
「先生、降参です。
“师父,我们没辙了。
私たちでは、とても無理です。
对我们来说,这实在是难以办到的事情啊。
是非、その薬の作り方をお教え下さい」
请师父务必将那个药方教给我们。”
すると赤ひげ先生は、ひげをなでながら言いました。
于是乎红胡子医生捋着他的胡子说:
「わしは、肺臓(はいぞう)をかわかす薬を包んでやったんじゃ。
“我只是包了一些让肺部变干燥的药而已。
肺臓をかわかすと、咳(せき)が出るだろ。
肺部变得干燥,就自然会咳嗽吧。
咳がゴホゴホと出れば、泥棒どころではないからな。
咳嗽‘咳咳’的声音响起的话,就自然没办法偷东西了。
あはははははは」
啊哈哈哈哈哈哈。”
それを聞いた弟子たちは、やっぱり赤ひげ先生は日本一の名医だと思ったそうです。
听闻了这件事的弟子们,都觉得红胡子医生果然是日本第一的名医啊。
おしまい
結束
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